【俳優・声優の道を歩めるのは真っ当な人生を捨てた者】

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【俳優・声優・芸能人になりたいと思う人はバカである】

 

1.誰もが認める圧倒的な才能を持つ天才

2.まっとうな生産社会を諦めた、他に行く場所のない人間たち

大塚明夫さんは著書「声優魂」で芝居の世界で生き延びられるのはこの2つのうちどちらかに該当する人物だと言います。

大塚さんの場合は2に該当するそうです。

まっとうな生産社会を諦めた人間・・・世間体とか老後の事なんて考える余裕がない、しらねぇよと言えるまでに人生追い込まれている人とも言えます。

そんなとても普通に働いて稼いで、生活できそうにもない人が一つ、辿り着く場所としてこの世界があるという事です。

これは専門時代に講師の方から聞いた話なのですが、

人に何かを見せて、見てくれた人は楽しませてもらったから投げ銭をしてくれてお金を得る。

これが一つの芸を披露してお金を得る始まり、原点だと言いました。

ではそんな芸を披露した人はどんな人かと言われたらその日食べるご飯もない、住む所もないような浮浪者だったと言われています。ホームレスと言ってもいいでしょう。

つまり本質はそういう事だと思います。

もはやまともに働いて稼ぐ事ができないであろう人間が最後の手段として馬鹿だと思われるような事を恥ずかしがる事もなく人前でやって、それで人々を笑わせてお金を得る。

俳優、声優という世界もお客さんに自分の演技を見せることによって満足させる事が目標という意味では変わりがありません。

一方で、中高生の頃から「声優になりたい」なんて考え、高校を出て声優学校に入り、養成所を経て事務所に入ったなんて子を見ると、けつまずいた後にどうなるのかと心配になります。世の中を知らないわけですから。後悔しても知らないよ、と言いたくなるのです。

あなたはそんな浮浪者ですか?と聞かれたら多くの人はそうではないはずです。

必ずこんな職種で働けばあなたはすごく周りから頼りにされるのでは?という居場所があると思います。

わたくしも文章がとてもしっかりしているという事で、このスキルをもっと生かせる業界で働いた方が良い気がすると真面目な顔で演出家から、父親からも言われた事があります。

あいつはクビにされないだけで運が良い、同僚からそんな評判が聞かれるような社会人としてどうしようもない人がどんどん隅に追いやられて、行く果てがこの自分というものを売っていく世界なのではないでしょうかね?

そんな人であればもうそんな真っ当な世界にまた戻っても、あそこに自分の居場所はないと諦められて、ならこっちでやっていくしかないと吹っ切れてこの世界に身を置く事ができるのだと思います。

少なくとも人生経験の一つとしてテレビに出たい、舞台に立ちたいなど一時的な欲求としてこの世界に入るではなく、ずっとこの世界に居たい、居るしかないという人間はそんなもう社会人としてどうしようもない人間だという事です。

一見、華やかな世界に見えて実は社会的に見てかなり地位は低いという事も理解しておきたいですね。

この辺は見せ方が上手いという事なのでしょう。或いは最後の意地とも言えるかもしれません。こんな自分だって人様を感動させる事ができるという意地が時にとんでもない感動を与えてくれるのかもしれません。

引用・参考にした著書↓

コメント

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  2. […] 「この世界で生き残れるのは真っ当な人生を捨てた者」 […]

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