【俳優・声優・芸能人になりたいとは?】

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【声優だけはやめておけ】

純真無垢に高校卒業後は専門学校に入って声優になるために演技を学ぶんだと目を輝かせている学生には初っ端から、ややショッキングな言葉で始まるこの、

大塚明夫さんが書いた本「声優魂」

が本気でなりたいと思っているなら、いやこんな事情を知らないでこの世界に入ろうとするのは手ぶらでエベレスト山頂を目指すようなものなので絶対に知っておいた方が良い事なのです。

知らなくても短期的にみれば「楽しい学校生活だった」という青春を味わう事ができますが、

長期的にみれば「路頭に迷う」それに近い状況が数年後には待っています。

人生は捉え方によりますがなんやかんや長いです。そしてお気楽だった学生生活よりも、厳しい人間社会での生活の方が遥かに長い期間を過ごす事になります。

そんな安易な快楽を選ばずに、この世界での現実を直視したうえで挑戦していってほしいと思います。

といいますかこの世界を選んでしまった時点で「修羅」の道を自ら突き進むようなものなのでもう一度言いますがこの本に書いてある事を胸に刻んでから進んで行ってほしいと思います。もちろんそれで「やっぱり止めよう」と思うのであればそれは賢明な判断です。

声優になりたいとはそもそも職業選択にはあたらない

この本の冒頭ではこのような小タイトルで始まります。

「声優になる」=「職業の選択」ではない

誰もが法人化された「専門学校」に進学するのだからここを卒業すれば、学んだ事に関わる職業に就けるはずだと思う事でしょう。

残念ながら声優、俳優、芸能の世界に限って言えばこの職業選択をしたとは言えないです。

声優志望者や若手声優と話していて不思議なのは「声優になる」ことを、まるで就職でもするかのような感覚でとらえている人が多いことです。

きっと一般的な感覚で、

高校卒業→大学進学→就活→卒業→就職というようなルートで、

専門進学、卒業→養成所入所、修了→事務所所属というルートを声優志望者の皆さんも思い描いているかもしれません。

そして最初は小さな役から始まって、バイトをしながら、でもゆくゆくは大きな役を掴んで声の仕事だけで生活できるような稼ぎを得る!と。

その想定がこの世界では進研ゼミの案内に付いている漫画のような絵空事だと言いたいのです。これに対して大塚さんも・・・、

私などからすると、さて一体どこから突っ込んでいいのやら……と煙草の一本でも吸いたくなってしまう内容なのですが、これを、”ベーシック〟なルートだと思っている若者は後を絶ちません。

「声優」なりたいとは「バスの運転手」になりたいとか「警察官」になりたいとか「看護師」になりたいとは訳が違うのです。

学校を卒業しても、何年演技を勉強しようが資格と言えるものは無い

よく考えてみてください。この世界では、「声優」という身分を保証するものは何もありません。資格やら免許があるわけでもない。

演技の勉強、訓練は間違いなく必要な事なのでしょうが、それで=信頼を得られて仕事が舞い込んでくるというわけではないんですよね。

オーディションでも専門学校卒業しています、どこどこの養成所を出ていますという経歴は多少、有利になる場合もあるかもね、くらいの力しかないと思います。

残酷なパターンだと高校生、演技未経験者が選ばれてしまう事もあるくらいこの世界で勉強、訓練してきましたというのは心許ない経歴になります。

では、どうすれば「私は声優」ですと名乗れるのか?

事務所に正式所属できたら?

声の仕事でお金を貰えたら?

それで名乗っても良いとは思いますがだからといってその後もコンスタントに声の仕事が毎月やってくるわけではないのがこの世界です。

声優という肩書きを持っている人だけに声の仕事が来るわけではありません。

何度かそのような場面をみた事がある人も多いと思いますが世間的にはアイドル歌手やドラマ、映画に出演している俳優として知られているけど、ドキュメンタリー番組のナレーションをしている事もありますよね。

他にもアニメのキャラをお笑い芸人やバラエティー番組でよくみる芸能人が演じていたりと・・・。

何が言いたいかというと、

「声優になりたい」=声の仕事だけで稼ぎを得たいというのはとんでもない難易度の高い道を知らないうちに選んでしまっている人が多いという事です。

いくらでもどれだけ無謀なのかの例え話なら思い浮かびますが、

初見プレイなのにいきなり難易度設定を「ナイトメア」にして始めるようなものです。しかもテレビゲームのようにやり直しはきかない。

つまり「声優です」と胸を張って名乗る事ができる立場になれたとしてもそれが声優という仕事が今後も貰えるための保証ではない、なんらその立場が守られていないのが「声優」「俳優」「芸能人」という肩書きなのです。

コンテンツの制作サイドからすれば、欲しいのは「ギャラが予算内に収まり、かつ良い芝居ができる人間」であることがほとんどですから、テレビや舞台の俳優を声優として使うことだって自由です。(一部省略)

つまり、声優という肩書き自体に、「声の仕事を得る」ための効力はないのです。

 

では、現実的に考えてどのような姿勢で臨むのが良いのか?

ここからは僕の考えになりますが、それでも声優という世界に憧れていて自分が納得するまで挑戦したいというのであれば、とりあえずガッツリ身を投じるのは止めて、たまに声の仕事が来れば良いという姿勢から入ってみるのはどうでしょうか?

副業みたいな位置付けですね。

そんな気持ちで臨むのは逆に失礼じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、残念ながら多くの声優、俳優、芸能人は別に仕事をしながらたまに入ってくる芸能関連の仕事をこなしているので、もはや副業みたいな位置付けの人が多いです。

でも、そのつもりでなかったけどこうなってしまったという人と、最初からそのつもりだったという人では精神的にはえらい違いです。

個人的には「日本ナレーション演技研究所」さんの理念に共感しました。

声優の仕事は、従来のアニメや洋画の吹き替え・ゲームへの出演はもちろん、ナレーション・アーティスト活動など、多岐にわたります。また、デジタル新時代を迎え、インターネットをはじめとする新たなメディアの登場やスマートフォンなどの普及により、活躍のフィールドはさらに広がりを見せております。
それに伴い志望者も年々増加し、憧れの職業のひとつとして取り上げられる機会も増えてまいりましたが、声優は誰にでもなれるというわけではなく、勉強すれば資格を取れるというものでもありません。
そこで弊所では、時間的・金銭的リスクをできるだけ減らし、仕事をしながら、学校に通いながらでも、声優・ナレーターをめざしていけるようなシステムを採用いたしました。
躍進する業界とあなたの将来に向け、弊所はこれからもより良いレッスン環境を提供し、声優をめざされるあなたをサポートしてまいります。

この文章はホームページトップの「声優をめざすあなたへ」のメッセージです。また・・・、

声優という職業は、決して誰にでもなれる職業ではありませんが、レッスンを受けてみなければ、その資質が見えてこないという側面もあります。また、一定のカリキュラムを消化すれば資格が取れるというものではないため、ほぼ毎日のレッスンに数年間通うということは、たとえ本人の意思・意欲だとしても、あまりにも危険で負担が大きすぎるのではないかと弊所では考えております。

そこで弊所では、週1回の演技レッスンで、仕事をしながら、学校に通いながらでも、声優・俳優・ナレーターをめざしていけるようなレッスンシステムを組んでいます。

誰でもなれる職業ではない、勉強して学校を卒業すれば資格が取れるものでもない、けど「やってみないと分からない」側面もある。

なら金銭的、時間的負担を減らして大学に通いながら、仕事をしながらでも演技を学べる所に通っていくのが最初のスタートと思って始めてみてはどうでしょうか?

またはこの世界、容姿が抜群に優れていればとりあえず良いという風潮もあるのでその最大のアドバンテージである容姿を持っているなら最初から大きなチャンスが掴める出演、所属オーディションを受けてみるのも良いです。

見事に選ばれたら出演に向けて無料でレッスンを受ける場を設けてくれたりもしますし、

他にも個人が定期的、期間限定で開いているワークショップなど演技を学べる所は専門学校だけではありません。このブログでもその「演技上達法」の手順をいちから解説しているので知識だけでも身につける事は今の情報化社会なら可能です。

このようにいきなり「専業」で声優になる!と意気込まず厳しい実態を直視して、そこから現実的な対策を講じたうえでこの世界を目指すのが賢いのではないでしょうか?

(※ご紹介した日本ナレーション演技研究所さんに入るのを勧めているわけではありません。あくまでこのようなスタンスが良いというだけです)

では今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

引用、参考にさせてもらった本↓

コメント

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