演劇コンテンツは決して『俳優・声優のために』作られているわけではない

私が演劇を始めた頃、そしてこのブログを開設した当初はこんな風に思っていました。

演劇コンテンツにおいて俳優・声優はとても重要な存在である、

と。

これが間違っていると言いたいわけではありません。

むしろ出演者は誰にするのかはとても重要です。これで話題になるか、ならないか左右される要素でもあるので。

かと言ってこうとも言うことができると思うようになりました。

それが・・・、

演劇コンテンツは俳優・声優のために作られているわけではない、

と。

特にそれを代表する舞台、映画、ドラマ、アニメ、ゲームはよく考えれば俳優・声優のために、仕事を与えるために作ろうなんて動機で製作に取り掛かったことなんてこれまであまりないんじゃないでしょうか?

そんな特定の出演者のために作品が作られるならそれは芸能事務所が企画者・出資者として関わっている、その事務所には強大な権力がある場合のみでしょう。

基本はその作品の監督やプロデューサーが熱い想いで、この作品を映像化・アニメ化したいと惚れ込んで作ろとなるのだと思います。

その企画に俳優・声優は乗っけてもらっているのです。

立場的には作品作りが完了するまでの短期で雇用しているような労働者なので、そういう人は世間的には非正規社員と見なされていますよね。

 

以前、こんな記事を書きました↓

長寿アニメいつまで? 声優交代をしてまでも続けるべきなのか?

 

これは長寿アニメを声優交代してまで続ける必要ってあるの?と疑問に思って書いた記事です。

アニメキャラクターは歳をとらないけど、声優は歳をとってやがて身を退かなければいけない時がくる、だったらその作品もそこで終わってもいいんじゃない?ということです。

ドラえもんの声優交代でもあったように長年、親しまれていたアニメの声優交代はやもを得ない事情であったとしても残念ながらこれまでのファンを少なからず離れさせる原因になります。

もうドラえもんは声が馴染めないから観ないかなと言った友達もいましたし、新声優陣に対して心ない誹謗中傷もありました。

ここまでの事が起きても続ける理由ってなに?と私は思いました。

その後も様々な事情で人気アニメキャラクターの声優交代はありました。そして私と同じように「もうそろそろ終わりでもいいんじゃない?」という声もありましたが一方で、

「アニメとは多くの人が関わって出来ている作品。そんな声優一人の事情でここまで続いてきた作品を終わらせるなんてそう簡単に決断するはずがない」

 

みたいな声を聞いた時にハッとさせられました。

例えばこれが音楽のバンドだとメンバーの一人が脱退したら新しいメンバーを探すことなくそのまま解散〜までいってしまったバンドはそれなりにいます。

こうなるのも『このバンドは今のメンバー以外では考えられない』となるからです。

それと同じような感覚で捉えていましたが、アニメとバンドだと上記の意見のように関わっている人数の桁が違います。

バンドはメンバーが集まれば結成できますが、アニメは声優だけ集まっても完成しません。それよりも責任ある重要な仕事を担っている人がいます。

一番目立つのは声優かもしれないが、その裏では膨大なスタッフがそれを支えている。

その作品を終わらせるということはそんなスタッフさんの仕事も無くなるということになるので、その影響を及ぼす範囲を考えたら出演者一人が欠けてしまったという理由だけでこれまで積み上げてきたものを終わらせるはずがないんですよね。

その点は考えを改めた方が良いと反省しました。

何より繰り返し言いますが、

演劇作品は俳優・声優のために作られているものではないのです。

 

これまで長い歴史があって多くの国民に名前が知られている作品を、出演者一人がもうできないとなったくらいでは止める理由にはならないのです。

 

あのドラゴンボールもいよいよ野沢雅子さん以外の声優さんが交代したと聞いた時も、個人的にはやはりショックであるもののオリジナルキャストを総取っ替えしてでも今後も昔からの人気作品は作られていくのかなと感じました。

あのスラムダンクも声優変更をして映画が作られましたしね。

ドラゴンボールDAIMA』声優変更で混乱の声 事前告知なしで「変えて欲しくなかったのが本音」「ビックリした」』

 

逆に野沢雅子さんだけは変わらなかったのは、悟空はやっぱり彼女以外は考えられないとされている証なのかもしれません。この域まで登り詰められる人はそういないことでしょう。

 

ということで国民目線から言わせてもらえれば確かに親しんだ声は変わってほしくないという気持ちはあるが、今後も長く続けていくのであれば時にそういう変更はやもを得ない、オリジナルキャストが続投できないのは作品を終わらせる理由にはならないというお話でした。

とはいえ声優目線でもかつて自分が担っていたキャラクターの声が変わるとなれば、自分はまだやれるのにと思っているほど悔しい気持ちはあるでしょうね。

 

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