これから俳優・声優を目指す人達が肝に銘じておくべきこと

ビジネス思考

4月に入りました。新しい生活をスタートさせる季節です。今月から様々な形で俳優・声優になるために行動に移した人も多いかと思われます。

私が目指した俳優・声優や音楽、他にも裏で支える漫画家や小説家などのエンタメの世界は大変、厳しいと言われつつも今でも憧れを抱き目指す人が大勢いる世界です。今後も志望者が途絶えるなんてことはないでしょう。

そんな夢、目標を持つ人達が肝に銘じておかなければいけないことがあります。
これがもしかしたらこの世界は厳しいと言われるゆえんかもしれません。

それが、
もしも商業デビューを果たすことができたのならライバルは同じ世代に活動を開始した人ではなく全ての、何十年も前から活動を開始していて今もなお現役で活動を続けている人達であること。

デビュー前は同じ年齢くらいの人、アマチュアレベルの実力しかない人達で競い合っていましたが、デビューすればそうはいきません。

もっと分かりやすく私が目指した声優に例えるなら・・・、

あなたが20代前半くらいから活動を開始したとして競争して行かなければいけない相手が、山寺宏一さん、田中真弓さん、高山みなみさん、立木文彦さん、宮野真守さん、水樹奈々さん、花江夏樹さん、などと長年この世界で活躍してきた大物声優から、テレビを点ければ必ず週に何回かはナレーションを担当している、アーティスト声優、超人気作の主演を務めた人達になるわけです。

よく声優になれたら「〇〇さんと共演できたら良いなと思います!」と無邪気に答える人達を何人か見てきましたが、これだとまるで同じ会社で働いている関係性だと捉えているような気もするのですが・・・この世界は個人事業の世界です。

言い換えるなら声優さん一人ひとりが自分の名前で会社を経営している「ひとり社長」みたいなものなのです。

あなたがこの世界を目指すならそれは「新規参入」を意味します。これから自分が中心となって仕事が振られるような気概で挑まないといけないことなのです。

つまり「本日より声優事業を始めました〇〇です。よろしくお願いします」と宣伝活動を死に物狂いでやらないと仕事は一生、振られないままなんていうことも珍しくありません。なぜなら「あなたという会社」が設立されたことが知られていないのですから。

それで見事に上手くいってこの世界で名前が知られた、ある程度は活躍できるようになれたのなら、それは他の誰かからシェアを奪った、蹴落としたとも言えるのです。こう表現されると声優で成功する難しさが少しは理解できたのではないでしょうか?

声優の世界に限って言えばもっと厳しい条件として現在、20代後半から30代前半の年齢で活躍している声優さんとデビューしたばかりのあなたのギャラが同じ可能性がります。

声優のギャラはランクで決まっているのですが、ランクを上げてギャラを上げすぎると予算の都合で使ってもらえなくなるなんていうことがあります。

最低ランクのギャラは15000円なのですが3000円上がった18000円の位置でもう高いですね、と言われてしまうそうです。

そうなると多くの人は使ってもらうようにギャラを積極的に上げない選択をしてしまい、ある程度の年数、活動していてもランクは一番下のままにしてしまうのです・・・。

こうなってくると知名度のない新人はいきなり窮地に追い込まれた状態で活動していかないといけないのです。ここから巻き返すには並の精神力では持ちません。ただしジュニアと呼ばれる3年間は一作品につき15000円なので、極端に安く起用できるこの期間は重宝されるかも。けどそれが過ぎたら・・・💧

余談ですが私、ある色んな現場が入り乱れる建物内でそれなりに名前の知られている声優さんとお会いしたことがあり挨拶をしたのですが、失礼な態度は取ったつもりはないのにどこか睨まれているような眼で私を見ていましたからね💦

いま振り返るとこれはもしかしたら「こいつは自分の地位を脅かす存在になるか?」みたいな眼で見ていたのかもしれません・・・考えすぎかもしれませんが思いのほか怖かったのは事実です。いずれにせよ現場で出会った人は皆仲間というよりは競争相手とは思っているはずです。繰り返し同じ会社で働いているわけでないのですから。

ただ、こういうエンタメ業界のさらに厳しい所はいくら良い商品を作ったとしても、それだけでは売れるとは限らないことです。

例えば、今から新しいトレーディングカードゲームを作ろう!となっても、
えっ?今更、参入しても遊戯王やポケモンカードよりも人気が出るカードゲームなんて作れないでしょ?

こんな意見も出てくるでしょう。おそらくもうこの二つのカードゲームよりも人気が出るカードゲームを作ることは無理と言っていいと思われます。いくら面白かったとしても「もうこっちで満足しています」というように見向きもされないことあるでしょう。

昔から長らくその世界を牽引してきた大手企業が強いのはどの業界でも同じです。その中に新参者が割って入っていくのは並大抵の努力では叶いませんよね。

その中でも生活必需品を提供しているわけではないエンタメ業界は特にしっかりとした戦略を立てないと先駆者の真似をしているだけで終わりになります。

あなたからしか摂取することができない「オリジナリティ」が必要になってくるのです。小説の世界でも「〇〇(作家さんの名前)は二人いらない」とよく言われます。いくら素晴らしい小説を書けてもこういう作品ならもう〇〇さんが書いているからと跳ね除けられていしまう場合があります。

お金を稼ぎたいというよりかは「自分がやりたいから」こんな動機でエンタメ業界を目指す人が多いので、こういったことは頭にない人も大半だと思いますが、もしも売れたい、この分野の仕事で生活したいという気持ちを抱いているのでしたら市場を分析をした上で、自分の強み何か?売りにできる武器は?と考える必要があると思います。

では今回は以上になります。ありがとうございました。

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