【雑談】 大きな劇団を見てもったいないと思うこと

ビジネス思考

今月は主に演劇の『舞台上演』と『お金』についての記事を上げて来ましたが、参考記事→演劇とお金「小さな劇場」の舞台上演で収益を上げるための条件とは?

今回はそこから感じた、第三者が外から見て思い浮かんできたことを書く雑談回ですので思っていることを自由に書く、ゆるい回になります。

日本には「五大劇団」と言われる劇団が存在します。

文学座」「俳優座」「民藝」「劇団昴」「演劇集団円

日本の演劇史を学べばどこかのタイミングで出てくる名前で舞台のみならずテレビ出演や声優として活躍している方もいるので多くの方が聞いたことある!と答えると思われます。ちなみにこれも明確に定義されたものではなく、人によっては違う劇団の名前が挙がると思います(青年座など)

それでも「五大劇団」と言うだけあって共通するのは歴史も長いですし、規模も大きいです。どこの劇団も劇団員の人数は男女合わせて100人を超えている所が多いです。

今からこの規模の劇団が現れることは時代的にもないかもしれません。

所属人数100名超と言うと中小企業でいうならそこそこ大きい部類に入りますよね。養成所も抱えているので定期的に若い人も入ってきて年齢層も幅広い。

この人材の豊富さは劇団員が少ない劇団から見れば羨ましい限りだと思います。おそらく人が足りない、適した人がいない、見つからないという理由でこの台本は上演できないなんて問題もないことでしょうし。

俳優は基本的に人手不足ではない世界だとここまでも何度も申してきましたが、それは大きなプロジェクトで予算もある程度、組まれているコンテンツに限った話で、その枠に入れなかった人が奮起して舞台や映画を作るぞ!となっても先ず苦労するのは協力してくれる人を探すことです。

片手で数えられる人達が集まって何かしらのエンタメコンテンツを作ろとした人達を何人か見てきましたがやはり出演者探しに苦労した、お手伝いしてくれる人が欲しい・・・と誰もが口にしていました。

これだけの規模の劇団であれば制作関連の作業や仕込み・バラシ要員も直ぐに出演者以外から応援を呼ぶことが出来ますので、そんな悩みがあまりないのがこれらの劇団になるわけですが、だからこそもったいないと思うことがあるのです・・・。

なぜ舞台制作しかしないのであろう・・・?

と。いや、劇団だから、舞台をやりたい人が集まっているんだから当たり前だろうと以前だったら疑問に思わなかったのですがw 現にどこかしらの劇団員になった人は映像方面は興味ないんだよね〜と言う人はいました。

が!だからと言って、これだけの劇団員を抱えているのに年に2、3回しか行わない舞台制作のみなのはやはりもったいないんじゃないか!?とビジネスの勉強をして思うようになりました。

先ほども言いましたが人数的には中小企業の中でもそれなりに大きい所だと思います。その年に数回だけの舞台制作で劇団員を全員、動員するかと言われたらしないはずです。

つまり年間通して劇団のためにほぼ稼働していない人員がいるということになります。おそらくもう何年も劇団に所属しているけど劇団公演に出演したことがない、手伝いもしていない人、中には最近は会ったことすらないという人もいるかも・・・?😓

片や小さな所は人探しに苦労しており、もう一方は人を余らせている、これはやはりもったいないと思うのです。

だったら、これだけの人員がいるんなら別の事業にも手を出してみたらどうでしょうか?と思ったのです。

別の事業とは例えば舞台と対をなす「映画・ドラマ制作
これだけの人数がいれば可能なはずです。劇団〇〇制作の映画・ドラマ、キャスティングはもちろん劇団員のみで構成、なんだかそれだけで興味が湧きませんかね? 笑

映画・ドラマ制作だとまた舞台とは勝手が違うのでそう簡単に直ぐに上手くいかないと思いますが、それでも俳優という人達は演技の他にも様々な特技や知識を持ち合わせている場合が多いです。

そもそも今まで演技の勉強を必死にやってきても真っ先にやらされるのは舞台の裏方作業です。女性は劇団に来た問い合わせにメールで答えたり、チケット予約の電話受け付けもするでしょう。力のある男性であれば搬入、仕込み・バラシ、いわゆる大工さん作業、男女問わず手先が器用なら小道具・衣装の製作もやったり、公演当日の劇場ロビー受け付け、場内の案内係もやります。

とにかく色んなことをやる必要がある、役作りに専念できることはそうそうないと言えます。これだけのことを経験しているんだから映像制作だってなんとかなるでしょ?と思うのは私だけでしょうかね 笑

編集作業など技術的に専門家じゃないと難しい所は外注するとしても大枠は劇団員だけでもなんとかなりそうな感触もします。

まぁ映像はね、昔の舞台人の中にはカメラの前で演技はしたくないという価値観を持っている人がいたと聞くので、そこは棲み分けされていたと思うし、何よりなぜ劇団を立ち上げたか?とそこに立ち返った時に活動理念に反すると思うので、そう簡単にはいかないかもだけど外部からドラマ、CM撮影の依頼があったりしたら引き受けている人もいるので個人としては機会があるならやりたいっていう人も多いはず。

何より一人でも多くの人が演劇活動できるようにするためには一つのコンテンツにこだわらず様々なものに手を出してみたらどうか?と言いたいので別に映像である必要はありません。

なんだったらエンタメとは全く違い事業を立ち上げて劇団員を社員として雇うのも良いんじゃないか?と思う。

先ほども言いましたが俳優というのは色んな特技や経験もしているので変わった人もいるとはいえ普通に社会人としてもやっていける人も多いです。何より殆どの人は何かしら別に仕事をしながら活動をしていますしね。

だったら事情を理解しているところで働けるならそれにこしたことはありません。

とにかく言いたいのはこれだけの人数が一つの組織に集まっているのであれば、舞台制作以外は外部からの依頼があった時のみ人を派遣するに留まらず、もっと自発的に色んなコンテンツ制作、事業に挑戦して今いる人材をフルに生かしてみてはどうですか?ということです。

自分の過去の投稿を読めば分かりますが舞台というのは動員数、期間が限られていることから一番、儲からないコンテンツです。時代的にもいくら大きな劇団とはいえ舞台上演と養成所の経営だけではかなり財政的にも厳しいと予想されます。

それを改善するためにもここは別の事業を立ち上げて、伝統にとらわれず新たな稼ぎ口を作っても良いのではないでしょうか。

あるワークショップに参加した時に、
「ねぇ、ここにいる皆んなで少しずつお金を出し合って映画作ってみない?」と持ちかけられたことがあります。

この時は正直、その提案した人とはあまり親しい仲でもなかったので私は断ったのですが、劇団であればある程度は信頼している仲である人達がこれだけいるのです。

やろうと思えば可能性は無限大だと思いますね。

 

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