前回、ご紹介したこの記事は読んでくれましたでしょうか?→顧客課金モデル
この記事ではかなり理想が高い事を書いています。もしかしたら多くの人はそんな事を考えてもいなかったと思う事かもしれません。
しかしこの発想は何も新しい考えではありません。何十年も前からどこかで上手く売れた人がやっていた事であります。読んでくれた方は言われてみれば確かに・・・とは思ったはずです。
これが一つ、辿り着くべき理想だというのを頭に入れて、このような構造であるという事、だからこんな意識で望まないといけないんだという事をまとめましょう。
就職気分からの脱却
この世界で売れようと挑戦するもなぜ多くの人は脱落してしまうのか?それはこの世界に足を踏み入れる事をまるで就職でもするかのように捉えている事です。
事務所に、劇団に所属できたを「就職先が決まった」と思わない事です。
所属できても毎月給料は振り込まれません。それどころか毎月仕事が来るかも怪しいです。ちなみにこの世界で芸能関係の仕事だけで生活していきたければ毎月仕事がなければやっていけません。
声優なら毎クール2、3本メインキャストの仕事があれば十分に生活ができると言われています。(参考・大塚明夫の声優塾より)
「クール」とは聞いたことがある人もいると思いますがこの世界の専門用語で1年間を「3ヶ月を1クール」として分けて、その期間がきたら番組が切り替わったりする目安となる期間ですね。
アニメが12、3話で最終回になる場合が多いのはこの1クールを基準にしているからです。これ以降も続くのであれば次は24、5話、1年間放送できる事ができれば50話前後になるという事ですね。
上記の例の場合は毎クール2、3本という事は週に1回、放送されるアニメを2、3本、メインキャストで抱えていれば生活できるという事になります。
それを年間通してできるか?と言われたら、まぁ難しいのでしょうね。わたくしも毎週アニメを見ていた頃、一週間に同じ声優さんがメインキャストで2、3回も出演していたかと聞かれても、パッと直ぐには思いつきません。
いきなりこの仕事だけで生活していこうなんて思わないこと
理想を高く持つ事を否定はしませんが毎月、芸能関係の仕事が年間通して、週に2、3回くらいのペースでやって来ないと生活できるだけの稼ぎが得られないのであれば、それを実現するのはかなり難しいです。
↑さらにこの記事でも書いたように仕事の枠が声優を始めとして、俳優・芸能人の数に対してあまりにも少なすぎるという現実もあります。そんな環境の中で毎月仕事を取るというのは実力を磨く、云々の前に知っておかなければならない事です。
売れないのは演技が下手だから、才能、素質がないからとも言えると思いますが、なら演技が上手ければいいのか?というと根本的に仕事の数が少ないのでそういうわけでもない、じゃあどないすればええねんって話ですよね。
普通に考えたらこんな世界の入るのはやめた方が良いというのは「声優魂」を通して解説した通り、でも、それでもやってやるぜという人がいるのなら、そんな人のために書いているのがこのカテゴリ。
おさらいという事でこの点を押さえる、理解しておいてください。
・この世界に入る=就職ではない。
・芸能人と名乗っている人数に対して仕事の数はあまりにも少ない(三百の席を一万人で争っているような状態)
・だから芸能関係の仕事だけで生活できるレベルまで稼いでみせるなんて思わないこと
これらを理解したうえで前回書いた私は「個人事業主」という意識を持って取るべき行動に移していきましょう。
周りをみればどこかしらの会社に就職して、新人時代は言われた事をしっかりこなしていればそれだけで毎月給料が振り込まれる、そんな待遇なのでこの厳しい世界を目指す人でさえそんな意識のまま飛び込んでしまうのも無理はないのかもしれません。
私達はそのような教育を受けてきたのだから仕方がない、とも言えます。
ではそれはどんな教育なのか?それはまた次回に。ここまでお読みいただきありがとうございました。
コメント
[…] その発端は学校教育に問題があるとここまでの記事で触れました。(「構造を理解、意識改革」の記事など) […]
[…] インキャストで出演できれば生活できると書きましたね(「構造を理解。意識改革」) […]
[…] 参考記事「声優・俳優として稼ぐためには?業界の構造理解・意識改革」 […]