【これは沼か?】なかなか抜け出せない俳優の世界

この世界に一度、入ってしまうとある程度のやる気がある人はたとえ稼げなくてもなかなか抜け出せない状態に陥ることも少なくありません。

それはなぜかというと以前にも話した今更、ここまでやってきて、専門、養成所を出たのに・・・という自分なりに積み重ねてきたものを無駄にしたくないという気持ちがあると書きましたが・・・(「損切り」の記事を参照)

それだけではなく単純に「楽しい」のですよね〜。そう、今までどちらかといえばネガティブな事しか書いていませんでしたが、お芝居自体はすごい楽しいものです!

趣味としてやるにはなかなか良いものだと思っております。

そして、やり甲斐もあると書きました。

それって「やり甲斐搾取」じゃあ・・・という側面もあるも、そんな悪徳な企画者の舞台ではなく、純粋にお芝居が好きな人達が集まった舞台であれば終わった後はやってよかった!と思える充実感があるのもまた事実です。

それに稽古開始時間が午前11時とか一般的に働き始める時間と比べれば遅い場合もあるし、帰りも稽古場も劇場も夜10時までしか居られない、何よりやりたいと思っている芝居をずーっとやり続けられるのだから、疲労はあれどそんな苦痛じゃないです。

上司と言われるような人も、自分がこの演出家の舞台に立ちたいと思って選んだ場合もあるし、音響、照明、舞台監督さんも優秀な人じゃないとできない仕事なので「無能な上司」なんていう人はわたくしはみた事がないです。むしろいつもこっちが迷惑かけているくらいで、申し訳なくもなります。

一方たまに学生時代の同級生と会ったりすると、向こうはもう就職しています。そこで聞かされる職場での苦労話を聞かされると・・・😓

上司が最悪、この前は電車が無くなってタクシーで帰った、アルバイトくんが制服を置いて何も言わず逃亡した、ストレスで吐いたこともある、何のために生きているのかわからない・・・などなど大抵の人は過酷な労働環境なわけで・・・。

他にもアルバイト先で就職を機にやめた人も、今もバイトを続けている人の中で仲良くなってその後も連絡を取り合っている人もいたのですが、その人から「〇〇、仕事きつくてやめて今はバイトしているみたいだね」という情報を聞かされて、次から次へと就職した人の苦労話が耳に入ってくるわけですよ。

そんな中、わたくしはその人達と比べて顔色が良いので、

「俳優の世界で本当にやっていきたいならもっと本気のなった方が良いんじゃないの?フリーなんでしょ?劇団なりに入ったら?」

とあまり苦労している印象がなかったのかちょっときつめの口調でこんな事も言われたことがあります💦

確かにそんな過酷な環境で働いている友達と比べたら自分は楽をしているかもしれないと思いつつ、

俳優というのはたとえ人間関係が上手くいかないなという人はいても、その作品が上演なり撮影が終了すればそのチームは解散なので、わりと少しの我慢でそこから解放されそういう意味でのストレスって少ないのですよね〜。

これが良い面だという人もいるかもしれません。僕がそうです。あまり長期間、同じ場所で、同じ人と仕事をする事がないので、色んな出会いや、色んな場所へ行けるのでそれだけで充実な人生と言えますよね。

人生は旅なんていう表現もありますが、まさに旅をしているような感覚で、短期間で濃密な時間を過ごした人と打ち上げが終わり、別れを告げて、また次の場所へ向かう。その人達とはもしかしたらもう会う事もないかもしれません。そう思うと何だか寂しくもなりますし、

こんな感情は一つの場所、同じ人と何年間と働く人では、そうそう味わえないものです。

で、芝居なんて他人からみれば遊んでいるみたいに見えますが、実際そんな要素もあります。バカみたいにならないといけない時があるので。

そのコントラストの違いを見せられると報酬は無くても、この世界に魅力を感じてしまうものなんです。

他の方達がどういう理由で今も芝居を続けているのか分かりませんがわたくしはそんな事もあり、20代後半までは楽しませてもらいました。

皆さんはなぜ今も続けているのか、或いはこの歳まで芝居を続けていましたか?

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