私は声優を目指す際に高校卒業後に専門学校へ通いましたが、だからこそ振り返って思うのは、
「いきなり2年間を費やして演技などの勉強をする必要はない」です。
学校自体が悪かったわけではありません。
演技など声優になるために求められる技術・知識を年間通して、しかも週に5日学べる場所というのはそう多くはないのでそういう意味では貴重な場です。
しかし今となって思うのは「声優の専門学校へ通う」ということは例えるなら・・・、
と評価することができます。進級して2年目も通うのであれば200万円ですね・・・😓
今すぐ着る予定はないんだけどなんか可愛い、デザインが気に入ったから買っちゃった・・・なんて経験は若い内は、特に女性であれば一度は経験あるのではないでしょうか?
或いは、いずれ必要になるなら今のうちに買っておいた方が良いと売り込まれて買ってしまったなど。
が、購入したはいいもののその服を着る、買った物を活用することは数年経ってもなかった、または一回しか着用、使用しなかった・・・。
これと本質的に似たような事が「声優の専門学校に通う」です。
ではここで個人的に思った「別に受ける必要のなかった授業」を挙げてみましょう。
・イベントの司会者・ラジオパーソナリティーの授業
・ダンス・歌
・日本舞踊・パントマイム
・演劇史の授業
と、昨今の声優は色々なことをやらされる可能性があるからこういう授業もあった方が良いと思い組み込まれた授業だと思うのですが、申し訳ないですが必要がないと感じてしまいました。
それはなぜかというと・・・、
卒業後にこれらの授業で学んだことが生かされる時が結局、一度も訪れなかったから、
というシンプルな理由です。
いくら色々なことをやらされる、できる声優とはいえ例えばイベントの司会者、ラジオ番組をやらされてもらえるなんてことはそうそうありません。
授業では映画の舞台挨拶の司会者を想定して〜という内容もあったのですが、むしろ声優は映画の出演者側を望んでいる立場ですよね 笑
そういった司会進行役、ラジオDJというのはそれを専門としている人もいるので、それを声優に敢えて任されるということは余程の理由がない限りはないことでしょう。
ダンス、歌はアイドル声優を目指すというのであれば必須項目かもしれませんが、私は歌、ダンスの能力は人並み以下だったのでそんな人が必死になって練習して多少は上手くなっても、元から素質のある人には敵うはずはないので、こちらは戦略的なニュアンスが強いかもしれません。
人手不足ではない世界で自分の不得意分野に時間をかけるよりも、得意分野を徹底的に伸ばす方が合理的だと思います。
・・・とはいっても声優専門学校の歌の授業というのは、小中学校の音楽の授業と殆ど変わりないのないよく分からない授業だったのですが・・・💦
声優を目指す人が歌を学ぶなら理想は個別、少人数制で指導するだと思います。
でもそこまでできる人材も時間もないので形だけあるって感じでしたね。これなら本当に無い方がマシで、歌を特に力を入れて学んでいきたい人はまた別途、個別レッスンを行なっている教室を探してくださいと案内した方が良心的です。
ダンスも同じく個人的に力を入れて学んでいきたい意志がある人だけやれば良いと思います。
日本舞踊、パントマイム、演劇史に関しては気分転換には面白い授業だった程度ですね😅
演劇人として生きていきたいならその歴史を学ぶのは悪いことではありません。
日本舞踊、パントマイムも一つの経験、芸の肥やしとしては素晴らし分野だと思います。
だが、何度も言うように我々は声優を将来の仕事としたくて、この仕事でお金を稼いで生活していきたいと思って入学したのに、最初の内に学ぶべきものか?と考えたら疑問に思わざるを得ません。
初心者であれば先ずは発声や演技に特化した身体の使い方を学ぶべきでしょう。これだけで2年間は費やせるくらい奥の深いものです。
このように現時点では早急に学ぶべきものではない授業も一週間の内に何回かありました。
学校を卒業したら即、この世界で働いてもらうと約束されているなら一通りのことを学ぶのも有りですが、ご存知の通りこの世界は学校で真面目に勉強して卒業したくらいでは価値ある人材だとは見なされません。
かけた時間とお金に対して得られるリターンが見合っていない、と言うこともできるかもしれませんね。
現実的に「声優のお仕事」として身近なのは商品のナレーション、アプリ内の音声案内、キャラクターの声です。
参考記事↓
憧れは地上波で放送されるアニメや大企業が作るテレビゲームのキャラクターボイスでしょうが、これは声優の代表的な仕事であっても掴み取るための競争が熾烈過ぎてもはや多くの人にとっては、関係のない世界のお話です。
学校を卒業した後は学校で学んできたことの多くは生かされない仕事しか基本的にはやってこないのが現実なので、いきなりまとめ買いして大金を払うよりも先ずは必要最低限のことから学ぶ、徐々に各々の事情に合わせて学ぶべきものを増やすのが経済的にも優しいやり方だと私は思いました。
コメント