俳優志望者にとって何を支えに目標へ向かって励んでいるのか?
と考えたら、演劇界は常に優秀な俳優を求めているはずだ!
ではないでしょうか?
これがなかったらどれだけ努力をしてもあまり意味がありません。
なんせ文字通り特段、新しい才能を、有望な新人を求めていないのですから。
実際に舞台やドラマや映画を観ても「この人の演技すごい!」と思えるような出演者と巡り会えることはあまり多くはありません。
それどころか「このくらいの演技だったら自分でもできそう」とか、
「下手な演技だな〜」とすら思うこともあるかもしれません。
一般の人にも容易に目につく作品に出演している人でさえ志望者が圧倒される、実力の差を痛感してしまうような演技を見せることができていないので、こんな現状だと上手い演技のできる俳優って不足しているんだなと思ってしまいがちです。
なら、俺が、私が驚かせてやろうじゃないか!
と燃えてしまうものですが・・・。
そんな心意気で目指したとしても果たしてどれだけの人が日の目をみたでしょうか・・・?💦
この世界を諦め切れない理由の一つには、
自分はこれだけ実力を付けている、周りからも評価されている、
さらに様々な作品に出演している俳優と比べても大きな差があるとは思えない、
など、それなりに活躍している俳優と比べても遜色ないんじゃないかと感じているから踏ん切りがつかない場合もあると思っています。
現に演劇人、熱心な演劇ファンからしか認知されていないような知名度の低い俳優さんでもめちゃくちゃ演技が上手い人はいます。むしろこの人こそもっと多くの人の前で演技を披露するべきだと思ったこともあります。
でも残念ながらそんな人でもブレイクしたと言えるくらいの状況にはなりませんでした・・・それはなぜなのでしょうか?
こうなってくると、そもそも・・・、
演劇界ってどれだけ優秀な出演者を欲しがっているのか?もしかしてそこまで必要とされていないんじゃないか?
とさえ思ってしまうのですが・・・あながち間違っていないかもしれないというのが現在の思うところです。
もちろん出演者の演技が上手いに越したことはないでしょう。
アカデミー賞のような賞の受賞を目指すなら尚更です。
けど、最高峰の作品にはならなくても、せめてそれがそこそこ面白い作品になるための必須条件ではない、とは言うこともできるかもしれません。
私の持論として、
たとえ出演者が多少、未熟であっても台本が面白くて監督・演出家が優秀であればそれなりの作品に仕上がっていく、
というのがあります。
逆に、
いくら出演者が豪華でも、台本がつまらなくて監督・演出家の立場の人が駄目な人だとどんなにあがいても面白い作品にはならない、のです。
おそらくそんな作品を見比べることができるのなら前者の方が心に、記憶に残る作品だと思う人も多いはずです。
俳優というのは基本的に台本と監督・演出家の意向に沿って作られます。
その土台のもとで俳優は演技をするので、その土台が駄目だったらその上で俳優がどれだけ努力しても面白くするには限界があるのです。
逆に土台がしっかりしていれば俳優が不安定でも、思いっきり演技ができる・・・。
このような構図であるなら先ず求められるのは・・・、
優秀な俳優ではなく、優秀な監督・演出家と面白い台本ということになります。
舞台や映画で無名な演出家や監督が大きな評価を得ると、その後に大きな仕事が舞い込んでくることは結構あります。その人が台本の執筆も兼務していたら余計に需要が高まることでしょう。
なぜなら面白い台本を書ける人、それを正しい方向性に仕上げてくれる人は圧倒的に不足しているからです。
この記事でも書きましたが↓
「小劇場」というどちらかと言えばマイナーなジャンルで、商業ベースの活動をしていていなくても、そこで評価されたらその演出家・劇作家はブレイクすることは多分にあります。
だけど、その人の手がける作品に出演していた人はそこまで大きな恩恵は受けられていないのが現実である・・・、
このことから繰り返し、
演劇界で先ず求められているのは面白い台本が書ける作家、監督・演出家である、
と言うことができるのです。
どれだけ優秀な俳優を集めても、その前に台本は面白いのか?指揮を取る人の実力は確かなの?という問題があり、その課題がクリアできていないからなかなか俳優には出番が回ってこないのです。
なので、もしもあなたにはそのような才能もあると自己評価できるのであれば作家や演出家・監督の道を志す方がこの演劇界で成功する可能性は高いかもしれません。
ここまでをまとめると・・・、
演劇というコンテンツはいくら演技の上手い俳優『だけ』を集めても、ヒット作は生まれない、儲かることはできないのです。
その前に求められているのは面白い台本と優秀な演出家・監督です。
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