【俳優・声優になりたいとは生き方の選択である】

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【俳優・声優の道を歩めるのは真っ当な人生を捨てた者】

 

「声優になる」とは、生き方の選択である。

何度か言っておりますがこの道を進むという事は「職業」の選択ではありません。

ここまで読んでくれましたら、もうまともに稼いでいける世界ではないとは十分に理解できたと思います。

ではどういう表現が適切なのかと言われたら「生き方」を選んだという事だと記されています。

稼げない、実力があるだけではダメ、運が良いと言える事が一度はないと軌道に乗れない、そんな事情は関係なく、

俺は、私は「演じる」のが好きだからこの道を進むんだと言い切れるだけの覚悟はあるかと問うています。

この問いに少しでも首を傾げたり、怯んだ場合はこの道を敢えて選ぶ必要はなく、別の道にするべきです。

「はい、あります!」と威勢良く言ったとしても・・・、

それはおそらく勘違いです。声優だけはやめておきなさい。

という言葉で最後は締めて第一章は終わります 笑

それこそまだ世間を知らない、怖いもの知らずの中高生であれば「その覚悟はあります!」と言えちゃう人もいるかもしれませんが、そもそもの部分として、

あなた「なんで声優になりたいのですか?」という質問に対して納得できる答えが返ってくる若者が少ないという流れにこの後はなっていきます。

この部分は本当に難しくて、30後半、40過ぎた大人ですら、

「あなたはこの仕事がやりたくて就いたのですか?」という質問をしたらおそらく別にそういうわけではないという答えもけっこう返ってくると思いますし、

「なんでこの仕事に就いたのですか?」という問いにも答えが詰まると思います。

本音としては、

学校を卒業したら就職しないといけないと思ったからとか、仕事して稼がないと生きていけないから雇ってくれる所に就いただけとか、そういう半ば本人の意思とは関係なく世の中がそういう流れになっているから就職したという人が多いと思います。

将来どうやって生きていくのか、自分のやりたい事が何なのかも分からないまま大学卒業まで来てしまい、急ぐように世間に合わせて就職したというのが本音だとわたくしは読んでいます。

だから本当はやりたくもない事を何年、何十年もやらないといけないと考えるだけでストレスを感じ、病む人も多いのだと思われます。

そんな中でパッと見、お客側からはすごく楽しそうな事をしている声優、俳優、芸能界の世界。こんな事をしても稼げるなら絶対にこっちの方が楽しく生きられるじゃん!と思ってしまう人が出てきても不思議ではないでしょう。

どうせ働いて稼いがなきゃいけないなら楽しい事をして生きていきたいという事で安易にこっちの世界に来てしまう人も多いって事ですね。

だからレッスン、授業が始まった途端に少しでもつまらない、めんどいと思ったら直ぐに学校に来なくなる人も出てきてしまうのでしょう。

僕の通った専門学校にも基本はやる気ある人達ばかりでしたが、数名なんで声優の専門学校に入学してきたんだろう?と疑問に思ってしまうくらいやる気のない人がいました。

どうせなら楽しそうな、自分が好きな事を仕事にしたいという気持ちは僕も動機の一つにあったので分かりますし、特に今の若者の方がその想いは強い気がしますが、やはり「仕事」である以上は例外なくどんな事をするにしても厳しいものです。

それこそお客さんの前では演者はニコニコしているけど、裏ではスタッフさんが走り回ったり、神経ピリピリさせたり張り詰めた空気が流れています。演者も内心は細心の注意を払って求められている演技をしています。

コンビニとかスーパーで働いていた方が気が楽で良いと思うくらい殺伐とした空気です。

そんな単純作業の繰り返しが嫌だから芸能業界に入った、けどこっちはこっちで慌ただし過ぎて頭がパンクしそうになります。

どっちが良いかはその人次第です。ただ何度も言うように芸能界は労力に見合った報酬は見込めません。

コンビニなら慣れれば誰でもできるレジをやれば、その時間の分だけの決められた報酬が約束されています。

かと言ってコンビニも週に5日働くとなると気が狂いそうになるし、芸能界も稼げなくてもそんなコンビニでは絶対に味わない楽しさは間違いなくあるし、素敵な人との出会いもあり刺激的と言えば刺激的です。

要はバランスです。刺激的な人生を送りたいならいつまでも同じ環境には居ないのが良いに決まっています。

それで休日は旅行へ行ったり、好きな事をやってリフレッシュするのでしょうがそれだけでは物足りない。

そこで今の時代なら可能な生き方として、一つの仕事に就かずに複数の仕事をこなして生きていくというのがあると思います。

それが実現できればたまにお芝居をやりつつ、なんていう事もできるでしょう。

それについて詳しくはまた別のカテゴリで。最後は次の事についても触れましたがもう少しだけこの世界の厳しさについて書いていきたいと思います。

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