大塚明夫著「声優魂」を読んで自覚したこと

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【実はやりたい事が分かっていない声優志望者】

これでこのシリーズラストです。

この世界から身をひこうと決めた時からきっとなんとなくは自覚してたんだろうけどこの「声優魂」を読んでようやく完全に自覚をしました。

それが、

「自分は絶対に声優になりたかったわけでも、演技をするのが特別好きであったわけでもない」と。

小学生の頃はアニメばかり観ていたのでアニメが好きであったのは間違いがない。でもじゃあ今はどうかと言われたら?子供だから楽しめたとも言えますね。

声優という存在を知って、その声優さんの生の演技を見て胸がときめいたのも間違いがない。それで自分も声優になりたいと心の底から思いました。だから高校生になってもずっと頭の中にあったんだと思う。

でも、その最後の一押しをしたのってこの記事でも書きましたがブラック企業みたいな劣悪な環境で働きたくない、大人になってからも楽しい人生を送りたい、やり甲斐のある仕事に就きたいというのが大きかったと思うんですね。

【ブラック企業から逃れたくて選んだのに】

その想いと幼い頃から頭にあった「声優になりたい」が見事に一致して、じゃあなってやろうじゃないかと意気込みました。

このことから「声優になりたい」というより本音の部分として「やり甲斐のある仕事に就きたい、そして仕事だけの人生は嫌だ、大人になっても子供のように楽しく過ごしたい」

これが目的なら「声優」「演劇」という括りでなくても達成はできるでしょう。

何よりこの世界は基本、稼げないので「やり甲斐のある仕事に就きたい」という部分は「そんな仕事で稼ぐ」という意味もあるので満たしていません。だから早々に身をひいたのでしょうね。

「やり甲斐はあったし、演技って遊びみたいな部分もあるので大人になっても子供のように楽しく過ごせた」でも稼げないのはちょっと・・・ということで。

あとこの世界こそ完全なる「ブラック」な世界でしたしw

演じるという事はやってみれば大変、楽しいものでした。何より「自分」であったら絶対に言わない言葉を「この役」だからという名目で堂々と言う事ができる。

これって人によってはとてもストレス発散にもなります。別人格にでもなって一時でも自分を忘れる事ができるって楽しくて、刺激的で良いものですよ。これをお金を貰えるレベルまで登り詰めるとなると途端に辛くなるのですがね。

あなたは俳優、声優には向いていないとは教えてくれた先生も、同期、先輩、後輩、誰も思わなかったはずです。

それどころか「面白いお芝居をする」「やっぱりすごいな」という風に見てくれたと感じています。

だから決して向いていない世界に足を踏み入れたわけではないのですが、それでもやはり「稼げない」なら長く続ける事はできないと「まともな感覚」が働いたのでしょう。

これが大塚さんだとこの「稼げない」点には特に拘らないと言います。なぜなら「演じることが好き」でやっているので。

それでも現実的には稼がないといけないわけですが、だからなるべく「稼ぐ」にしてもその演技をするという範囲でやっていきたいと書かれています。

あまりそれ以外のサイドビジネスとかには興味がないようです。

大塚さんほどの知名度、人気があればその「演じる仕事」よりも稼げてしまう場合もやり方次第では可能でしょうが、そうやってお金が入ってくるとその一番やりたい事に対しても手を抜きそうだいう懸念があるみたいですね。

そんなお金を得るよりも、目の前の役をただ全力で演じるのみ、そこに人生をかけているようです。

こんな姿勢を読んで「僕にはそこまでの覚悟はありません」と潔く思うことができました。

きっと別のことで稼げるならそっちに走ってしまうでしょうし、それで上手くいっちゃったら演技の方は年に2回くらい舞台に立てれば良いかなってそれこそ趣味みたいな感じの位置付けにしてしまうかもしれませんね。

それだとね、きっと大塚さんみたいなスタンスの俳優には到底、勝てないでしょうね。稼げるとか関係なく演じるのが好きでしょうがないんだという人には。アニメしか好きじゃないという人には負ける気はしませんが 笑

そうなってくるとやっぱり「声優」「俳優」である必要はなかったという結論に達することができました。

でもまたたまにはお芝居やりたいな〜とは思いますね。今もこうして最近は演技の事ばかり考えていたので恋しくもなってきました。だから嫌いではないし、やっても良かったんだと思いますけど「職業」にしたいと思ったのが間違いだったんでしょうね。

そうなってくると今目指している「小説家」はどうなんだという事になりますが「書く」ことは好きであるのは間違いありません。でなきゃこんな短期間で1記事あたり何千文字以上の記事なんて書けないでしょうし。

ここまで生きてきて分かりましたが、文章って書けない人はほんとうに一ヶ月に一回のブログ更新でも無理っていう人がいて実は書き続けられるって誰でもできる事じゃないんですよ。

でもじゃあそれが「小説」である必要があるのか?と言われたらう〜んとなってしまうのですが、文章を書くを仕事にするにしても「自分一人でも生み出せるもの」の一つに小説があると思うので、他者にもあまり依存したくないというのを達成するためにも「小説」という道を今度は極めていくのは今は良いと思っています。

それで、やっぱり小説を書き続けるのは無理だわって痛感したらその時はまた考えます 笑

演技を学ぶ過程で「自分を知る」ということをやったもののその演技が「本当にやりたいことではなかった」というのもちょっと皮肉なものですw

でもこういう「自分を知る」というのは小学生の頃からでも意識させた方が良いですよ。

「自分のやりたいこと」をはっきりさせて、それを軸に生きていかないとその後の、学生を卒業した後の人生が充実しなくなるので。

その大切さに改めて気づかせてくれたこの本には感謝ですね。良い本と巡り会えました☆

その第二弾とも言える「声優塾」もおすすめです。今度は演技の技術的な事が中心になっています。そこに書かれている事とこのブログに掲載されている演技法は言葉、表現は違えど本質的には同じ事を言っていると思われます。

コメント

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