【声優になるには】これからの新しい目指し方

演劇コラム

声優になりたい、と思った時、まずは何をしたら良いのだろう?と思いますよね。

僕は「演技の勉強しなきゃ!」と思いました。きっと誰もがそう思うでしょう。だからどこかの専門学校、養成所へ行く。

そう思ったのがまだ高校生以下であれば、今すぐにそこへ通う事はできません。

でも、今からでもできることをやろうと新聞の記事を声に出して読んだり、ストレッチして体を柔らかくしたり、自分の声を録音して改善点を見つけたり・・・と色々とやると思います。

そして高校卒業後はいよいよ声優養成機関へ・・・、

というのがこれまでの流れでしたが、

が!

この誰もが認めるであろう自然な流れが通用するのは、声優というのは「演技の勉強、訓練を受けた者しかなる事ができない」というのが前提となります。

しかしご承知の方も多いと思いますが、

この「声優」「俳優」という仕事は「資格」というものがないので言ってしまえば「誰でもできてしまう仕事」なのです。

誰でもできてしまう、つまり演技未経験者でもギャラが発生する仕事がやれてしまうのがこの世界なのです。実際にそのような例も珍しくないのは事実です。

厳密には普段、声優や俳優活動をしていない人が作品に出演できてしまうという例。

この事から何が言えるかというと・・・、

演技が上手くなることだけに時間を費やすのは実は適切ではない。

特に週に5日、2年間の時間を費やす専門学校への入学はおすすめしません。

なぜかというと繰り返し、

「若いうちから演技の勉強をしてきた人だけができる仕事ではない」

「必要な資格というものがない」

ので、声優専門学校卒業資格という経歴はこの世界では価値があまりないと言えるからです。

卒業後に資格が取得できる、演技の勉強をしてきた者だけがなれるという世界なら、

「よし、今年の卒業生の中から有望な人材を探すか」

となるので良いかもしれませんが、そうはなっていないのです。

なので、最初のステップというつもりで専門学校入学は適切ではありません。

ならどうすれば良いのか?その一例をこの記事で紹介しました→「声優になりたいとは?

この記事では演技の勉強は週に一回か二回、時間もお金も専門学校ほどかからないところでやっていき、それと並行して大学に通ったり、仕事をする、そして最初のステップアップのきっかけになるかもしれない出演、事務所所属オーディションを受けるのが良いと書きました。

人前で堂々と話すことができるのなら、いきなり事務所が経営している養成所へ行き、所属を目指すのも良いでしょう。

この世界での最初のステップは何より出演、事務所に所属できるか否かです。

何度も言うように「演技の勉強をしてきた者だけが優遇される」世界ではないので、あまり経験がないというのはそこまで気にする必要はありません。

上手い、下手ではなくあなたに「可能性を感じる」と思わせたのならどこかしらの眼に止まるはずです。

そしてその「可能性」を感じてくれて、磨けばダイヤになるとまで思わせたら、現場に出させる事を見越して、

演技やボイトレなどのレッスンの場を設けさせてくれることもあります。

これが一つ、理想の流れかもしれません。

演技が上手くなっても仕事が来るのか、不透明である以上は将来あなたを売り出したいから、そのスターになる事に向けてしっかりと実力を磨いていきましょう、というこの流れが。

これであれば相当、気合いを入れて練習に励むはずです。この直近の将来が約束された状態から、演技や発声を学ぶ、これこそ長い時間をかけてやる価値があるというものです。

出演や所属が決まってから勉強する、それからでも遅くはない。

ここまでまとめると・・・、

まずはじっくり演技の勉強をしてから、と必ずしも考える必要はない。声優になるための第一条件が「実力が確かな、演技が上手い人」というわけではない。

このことから、

声優になるために、じゃあ専門学校へ行く、というのがお決まりの流れになっているが、それは選択肢の一つに過ぎなく、しかもこの業界の実態を踏まえれば賢い選択とも言えない。

最近では、高学歴という肩書きでテレビ出演が叶う例もあります。(クイズ番組など)

他にもよく見られるのがインターネット、SNSから人気を博して、それをきっかけに活動の場が広がる。

テレビに出たかったら芸能事務所に入るのだけが方法じゃないんですよ。それと同じように声優になるのだって方法は一つじゃありません。それどころかどんなやり方でも可能性はあります。

演技の勉強をそこまでしていなくたって、あなたに人を惹きつけるオーラであったり芯、軸がしっかりとしていて応援したくなる、そんな人間としての魅力があれば実力、技術はあとからでも付いていきます。

対象年齢22歳以下など若いうちじゃないと受けられないオーディションもあるので、業界との繋がりを持つことを優先するのも全然ありです。

まずはじっくり演技の勉強を・・・この固定された考えを捨てましょう!

しかし中には演技の経験どころか、現時点で人前で話すことすら難しい人が、そこから脱して声優や俳優になりたいと強く思っている人もいることでしょう。僕がそうでした。

そんな人であれば週に5日、2年間という期間をそれの克服に使うのもありと言えばありです。このぎっしりと詰まったスケジュールで演技を学べるのは専門学校くらいしかありませんし、専門学校→養成所という誰もが最初に思いつくルートでデビューできた人も一定数いますし。

ここで言いたいのは選択肢はこれしかないとは思わないこと、別の可能性はないかと探ってみる、それが一番伝えたいことなので各々の事情に合わせて、それでも専門学校入学にするというのはOKです。

 

長期的な視点から・・・

なんとかデビューできて、その業界の人、監督や演出家、プロデューサーと接触できて「また使いたい」と思わせることができればその後も仕事の話は舞い込んでくるでしょう。

一方で残念ながら所属が叶わずフリーという状態の人もいるかもしれません。

どちらにせよもう一つ持っていてほしい意識が、

「個人事業主」としてやっていける力を身に付ける。

これがこのブログのメインテーマでして、新しい記事を書く度にまたかよと思うくらい書いている言葉なのですが、この意識を持っている人はおそらくいないと言っていいくらい浸透していない、気づいていないことなので、何かとこの話題を入れています。

事務所が決まった、デビューもできた、あとは来た仕事をこなすだけ、これだけでは安泰と言えないからこの世界は厳しいのです。

最初はデビューするのに必死で、あまり先のことまで考えることはできないかもしれませんが、では次のステップとして考えるべきなのは、いつ仕事が来なくなっても大丈夫なように備える、

または、

フリーからでも何とか這い上がりたい、或いはお芝居は続けたいと思っているなら、

「個人事業主」としてやっていける力を身に付けることです。

そもそもこの声優や俳優、芸能界に入ってきてしまった時点であなたは雇われる身ではなく、個人でやっていかなければいけない存在なのです。

声優は所属事務所からの基本給というものは存在せず[注 29]、各人の仕事実績によるギャランティ(報酬金)が収入となる個人事業者である。

ウィキペディアにもこう書いてあります。

事務所に所属できたことを「就職できた」と思わないでほしい、逆にフリーでも現代ならチャンスがないわけではない、また稼げなくても芝居自体は続けられる・・・、

この世界で生き残っていく、やっていくにはこの力を身に付けられるか否かにかかっています。

この世界で多くの人が稼げない最大の理由。

それは仕事を求めている人数に対して、仕事の数が少ないからです。

そうなんです、根本的に仕事の数、案件が求めている人数に対して少ないのです。

どこの業界も人手不足とは言われていますがこの芸能界に限っていえば「間に合っています」状態です。

こんなにいても仕方がないとさえ思っているかもしれません。

そんな状況の中、自分を使ってもらえるというのはかなり有難いことなのです。また使ってもらえるように一本、一本全力で取り組まなければいけません。

こうなってくると実力、技術のレベルをどんどん上げていかないと厳しくなっていきます。空いてる時間にはしっかり訓練をしていきましょう。

が、それでもたとえば20代前半から活動をスタートしたとして、それを定年と言われる60代まで、約40年間、続けられる自信はあるか?と言われたらどうでしょうか?

並の人であれば競争に耐えられずどこかで脱落します。

もしかしたら別の人に乗り換えられてしまうかもしれません。理由としては若い時はギャラが安くて使っていたけど、ある一定の額まで上がってしまったから予算の都合上、使われなくなってしまったというかなり大人の事情です。

ギャラが上がってもあなたを使いたい、そこまでの域に達する人はさらに限られてくるということですね。

そういう意味では小さい頃から知っていて大人に至るまで、活動を続けている声優さんがいればその人はバケモノと言ってもいいです。その人こそ声優になるために生まれていきた人なのでしょう。

そんな、仕事が来なくなったどうしようー😢

となる前に備えとして「一人でも稼げる力を身に付ける」のです。

俳優・声優・芸能人とは誰かが企画してくれないと仕事は回ってきません。

他者に依存しているのです。

そんな非常に不安定な立場であるということも知らずに目指してしまう人も多い。

これが就職、雇われている身であれば言われた通りの業務をこなしていればあとは毎月決められた日に給料が振り込まれるのですからまだ安心ですが、

この世界は個人事業の世界です。自分で仕事を掴み取らないと報酬は発生しない以上、実は安心と言える日は訪れてこないのです。いつ仕事がなくなるかわからない不安と一生、闘わないといけないのです。

こうなってくると別の稼ぎ口を持っておくのが賢いというものです。

だからその意識を持って、演技とは別の分野の知識である「個人事業主としてやっていく、ビジネスの知識が必要になっていくのです」

この記事を読んでくれた方はこれらのことを理解していてほしいと思います。絶対に心に留めておいて損はありません。

このように声優や俳優、芸能界でやっていくための心構えを筆者の経験を元に多数、記事にして書いていますので他の記事も是非読んでみてください。

 

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