このブログで書かれている事が誰に届くだろうと?と考えた時に先ず一番にタイトルの通り「これからこの世界に足を踏み入れようと考えている学生さん達」が思い浮かびました。
主に高校卒業後の進路にこの手の、演技が学べる専門学校を視野に入れている人達。
早ければこの世界に興味を持ったから軽く調べようと思った中学生、もしや小学生なんかもいるかもしれませんね。
わたくしも声優という職業がある事を知ったのが小学生の時で、その時点から早くも興味を持ちその後、将来の夢として良いかもしれないと思い、知っている声優さんのプロフィールを調べてどこの養成所出身と分かれば、そこについてさらに調べましたね。
もちろんいよいよ高校卒業が近づいた時も今度はどこの専門学校が良いのかも調べました。これ以外にも今からでもできる練習であったりと・・・。
・・・このように「調べる行為」を盛んにするのってやはり最初の頃、この世界に足を踏み入れる前なんですよね。
ひとたび専門学校に入る事が決まり、そこで勉強する事になればそれらに関する疑問は講師に聞けば良いのですから、余計な情報は入れず一心に励む事になるでしょうし、
そのあとさらに養成所にも通いそこで訓練を積めば3年から4年、演技を学んだ事になります。
それだけの年数、演技を勉強したというのは一つ自信にもなります。
ここまで来ればもう今更「演技が上手くなるにはどうしたら良いんだろう?」と考えて、まずは検索・・・なんて事もしなくなるでしょうね。全くいないとは言い切れませんが。
今はスマホで一分もかからず調べられるので自分の演技に思い悩んでいる方が不意にググるなんて事をするかもしれませんけど、一通りの訓練を終えた人達は基本、出演機会を増やしたり、売れるようになりたいとしか考えていません(個人的にはこのような分野は死ぬまで修行を怠ってはいないと思っているのですがそれはまた別の話で)
そんな感じに見込んでいるので、演劇を本格的に始める人達が一番調べる時期であろう、その高校生以下の方達を意識して書いています。
この時期にインターネットで調べて大きく考えを変えたエピソードを
この方針変更が後に良い結果をもたらしたのか、そうではないのか今でも分からないのですが、わたくしが高校在学中に、ネット上での情報に触れて大きく考えを変えた事があります。
わたくしは最初は声優になりたかったのですが、最後は舞台俳優に最も適した知識、経験を身に付けました。
なぜか?
それは「声優である前に俳優であれ」という故・野沢那智さんの言葉に出会ったからです。
僕がこの方を知ったのはとあるアニメに(ローカルアニメだったので名前は忘れました)ゲスト出演した時だったのですが、そこでの声、演技に思わず鳥肌が立ってしまいました。
「誰?この人?」
この一心でキャスト一覧を見て、名前を確認して直ぐに調べました。
まだ良い演技というものもいまいちイメージできていない時期に、ここまでピンときたという事はよほどの実力の持ち主だったのでしょう。当たり前ですが現に声優界屈指の実力者でした。
とはいえ野沢那智さんは僕が知ってから直ぐにお亡くなりになってしまい彼の声、演技をきく事ができたのは過去の出演以外ではこれっきりだったのですが強烈なインパクトを残したのは間違いないです。
そんな野沢那智さんが声優志望者に言っていた言葉をネット上のサイトで知り、
「声優とは俳優の一部」
「声優である前に俳優である」
と言った言葉を多く発言していた事から、
「よし、先ずは俳優としての訓練を受けよう!」と決心して専門学校を選ぶ時もそれを基準に、俳優としての勉強が多くできる学校を選びましたが、それでもしかしたら最終目標であるはずだった「声優」からは遠ざかってしまったような気はしますが後悔はそんなにしていません。
他にも納谷悟朗さんであったり、野沢雅子さんといった声優という言葉が世間に浸透する前から活動されている方も「声優である前に俳優」という姿勢を持っていたので(これらの情報は2021年現在でもWikipediaなどで確認できます)そんな偉大な名優達が言うのだから信じてみようという気になりました。
さて、ではこのブログではどんな風に考えを改めてほしいのか・・・?
そもそも、そんな凄い人達が言っていたなら信じてみる気になるけど、あなたは大した実績も残さずこの世界から去った普通の人じゃないかとも思うでしょう。
はい、その通りなので返す言葉はありませんがこの声優、俳優、もっと広く言えばこの芸能界とはこういうものだ、だからどんなに努力しても売れない、稼げないんだね、というのはひたすら考えてその全体像が見えてきました。
それを知ると今まで正しいと思っていた行動は実は時間の無駄に等しいなんて事も言えてきてショックも受けます。
どういう事かと軽くいくつか話すと、
この世界に入るなら私は「個人事業主」という立場を自覚する。
他の一般的な職業を選んだ人のように、指示された事をやればいいとは思わないという事です。もう一つ、
事務所、劇団に正式所属できた=就職先が決まったとは思わないこと
マネージャーが仕事を持ってきてくれる、現にそのような待遇の人がいるのは間違いないでしょうがそれはもう「この子なら間違いなく売れる!」と惚れさえた稀有な例であると肝に銘じておきましょう。
少なくとも何度も言うように一般的な感覚、決められた日に毎月一定の給料が振り込まれるような待遇はこの世界ではないし、現時点で人気者の人さえピークが過ぎたら消える可能性が大いにある非常に不安定な世界です。
なぜなら「個人事業」ですから本人の努力不足などの理由で一気に転落してしまうのがこの世界だからです。
そうならないためにはやはり先を見据えてこのままだといずれ飽きられたりする、アイドルと言えるような年齢を過ぎた、そんな時のために次の備えが必要になってくるのです。
が、多くの人は会社に雇われて働いている身である事からそんな事は一部の経営陣が考える事でそんな必要はないのですが、この世界の場合は違います。
それらの事も自分で考える必要がある。
最初は一言、二言しか喋らない役で、バイトしながらでも仕方がない・・・
でもこれを積み重ねていけばいつかステップアップして、大きな役、主役が・・・と夢を見るのは大いにけっこうですが、この展望も基本的には大甘だと思い知らされる時がきます。
僕も当初シアタートラムという劇場に(調べてみれば分かりますがなかなかの良い劇場です)立てれば、これをきっかけに・・・なんて思ったものの、そもそも最初は小さな劇場から始まり、ようやくこんな素晴らしい劇場で公演ができるくらいまで登り詰めた劇団所属の俳優達がそのステップアップしているとは言い難い状況なんだから客演の自分なんて無理じゃんと早くも目論みが崩れた経験をしています。
何が言いたいかと言うと・・・
例えるならテレビゲームの主人公みたいに世界はあなた中心に動いていないよって事ですかね。
ゲームのようにちょっとしたクエストをクリアすれば直ぐに目に見えた成果を得られるような。
客観的にみればたくさん努力しているのは間違いなく、必要な経験も積んでいるし、これで報われないのはおかしいでしょ?なんて世の中の理不尽さに嘆きたくもなる時が来ますが残念ながら現実はこんなもんです。
「どうすればいいの?」と叫びたくなる状況を打破するためには今のうちからこうなる事を見越して、専門学校では絶対に教えてくれない別の分野の知識を身に付ける事です。
それはなにか?
ざっくり言うと「経済・ビジネス」の知識です。
参考までにこの二つの記事を読んでみてください。これはnoteで僕が以前、書いた記事でいずれこのブログでも完全版をまとめようと思っています。
俳優・声優・芸能人も「経済・ビジネス」の知識を持つべき理由。
この記事を読んで「足りなかったのは確かにこれだ!」と思うならあなたは賢いです。
上記でも俳優、声優、芸能人は「個人事業主」であると言ったのはもうこうなったら自分の力で道を切り開いていくしかないという意味でもあります。
「ビジネス」の知識を身に付けて「自分」という商品を自分で売り出していこうじゃありませんかと。
誰に?それはもちろんなんのしがらみもない多くの国民に向けてです。
それに成功して地上波に出ている芸能人並み、いや、それ以上の人気を獲得した代表例がYouTuberではないでしょうか?
もうYouTuberは今となっては当たり前の存在になっているので行動が早い人ならもう今のうちからそのような活動をしているかもしれませんし、もう学校で勉強して卒業して、事務所に所属するなんていうルート以外にも選択肢はあるという時代です。
そこでじっくり勉強する、この認識自体がもしかしたらも違っていたかもしれないと僕は今振り返って思います。
だって早い人は高校生の年齢からゴールデンタイムの時間帯のテレビに出ている人がいる世界ですよ?
かたや、そんな人がいる中で高校卒業したら専門学校に通って先ずはじっくり2年間勉強・・・この差はなにか?
既に若くして大きく前を進んでいる人がいるのに呑気だなとも言えたりします。
もちろん実力を磨く事は絶対に必要ですが、それで卒業したら就活生が就職先を見つけるような感覚で、事務所や劇団を選ぶというのは、そういう感覚では不味いとまたここで言いたいです。
ここら辺を理解していない人が多いと読みましたが、それも仕方がない事です。リンク先の記事で書いてある通り、
私達は義務教育、小学生の段階から先生の言う事をしっかり聞いていれば良いという認識を植え付けられて生きてきたのですから。
そういう教育を幼少期に受けていればなかなか「自分」で商品を作ってそれを「売る」なんていう発想をする子はそうそう生まれてきません。が、
この芸能界という世界はそういう能力が求められる世界です。
そんな力を身につけるためには己を磨くと同時に、ではその磨いた自分を売るためのやり方なんかも勉強していきましょう。
マネージャーは所属タレント全員の面倒なんて見てくれませんので、自分でやるしかないのです。
この意識を若いうちに、まだ本格的に足を踏み入れる前に持っておけばいずれ必要かもしれないと気がつく日が来ると思うのでこの記事を読んでくれた方は頭の片隅にでも留めておいてくださいませ。
ここで二冊の本をオススメします。この世界の厳しさがより分かる本です。
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