【芸能界で横行する理不尽な契約】 元アイドルメンバーを『労働者』と認める判決

演劇コラム

私のブログでは俳優や声優は『個人事業主』という立場なのでたとえ事務所に所属できたとしてもそれは就職ではない、業務提携を結んだと表現する方が正しいと度々、訴えてきました。

が、建前上はそうであっても実際はその関係性とは程遠い契約を結ばれる例も珍しくありません。

今日のヤフーニュースでこんな記事がありました↓

脱退したアイドルに違約金1千万円請求 労働者と認め「無効」の判決

もう一度、言いますようにエンタメ・芸能関係の仕事をしている人達の多くは『個人事業主』です。それでも、いやこの活動内容は実質『労働者』雇われている身であることに等しいという判決が出ました。

このことから労働者に対しては無効な契約だと判断されます。どんな契約を結ばれたのかその一部を読んでみますと・・・、

2019年1月に大阪市内の事務所と「専属マネジメント契約」を結んだ。契約書には「事務所の指示に従い芸能活動を誠実に遂行する」「事務所や他のメンバーの承諾なしに脱退してはならない」などの定めがあり、「違反1回で200万円」との違約金条項もあった。

この最後の、違反した場合はその項目一つにつき200万円の支払い、これはもう契約であったとしても常識的に考えて少なくとも金額がおかしいと思うところでしょう。このように何かしらの違反をした=人生そのものが狂う、だから絶対に許されないと脅迫めいた内容が書かれていた場合は関わらない方が身のためだと思います。

他にも『別記事』ではどうやら報酬は歩合制との話だったのに実際は固定給だったとも。これこそ実態は労働者と言われても仕方がないポイントでしょう。本来、個人事業主とは上手くいけば月に何百万、何千万円と稼げる可能性を秘めている働き方です。なのに固定給って言われたら雇われている社員と変わらないことを意味しますのでそこは頭に入れておいてくださいませ。

今回は労働者と認められたので契約不履行による違約金を払う必要はないと判決が出ました。

労働法16条 (賠償予定の禁止)
労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
例:事前に賠償金額を決めて契約に盛り込む、契約に違反した場合は違約金を払ってもらうと予め通告するなど。

このニュースに限らず他にも理不尽な契約を結ばれている例は山ほどあると思います。エンタメ分野だと対象にしているのが労働などの知識に対して無知な夢見る若者であるパターンも多いのでなおさらです。

この事務所、やばいかもと判断できる他の項目を挙げるなら、

・所属タレントと事務所側のギャラの取り分があまりにも不平等
相場だと大体、6:4か7:3で現場に派遣された演者側の方が多くなるのが一般的だと言われています。それがもう1:9で報酬の殆どを事務所側が持っていってしまうならそこはもうあなたのことを搾取する対象にしか見ていない、或いは独立したり他の所に移ってしまわないように拘束したい思惑があるのかもしれません。

いずれにせよ個人事業主がビジネスを円滑に進めるために事務所と契約しているのが正しい認識なので、明らかに立場が対等ではないと感じたらそれはもうリンク記事のように実態は労働者として雇われていてこちら側に裁量権がないに等しいです。

・もしも事務所を退所するなら○年間は芸能活動禁止など退所後の行動を制限する
これ、私も聞いた話です。私が聞いた期間は確か3年間。知り合いの知り合いの方の例なのでどんな理由でやめたのかまでは分からないのですが、たとえもしも契約期間中に勝手な都合で辞めようとしていたとしても、3年は長いのではないか?というのが正直なところです。まさにこの話を切り出した知り合いもいくらなんでも長すぎないか?と思って口にしました。

いくら契約であったとしても一方が著しく不利な内容の場合は無効にすることができます。

公序良俗違反」に該当する内容は法律的に無効であるとされています。その基準には「極度に自由を侵害する行為」という項目もあるのでこれに当てはまる可能性は高いです。

公序良俗違反とは?
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする(民法90条)

公の秩序、または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされている(民法第90条)。
民法などにおける強行規定に違反する法律行為は無効とされているが、こうした強行規定に該当しない法律行為であっても、民法第90条により、公序良俗に違反したことを理由として法律行為が無効とされる場合がある。
例えば、暴利行為(高利貸し)、倫理に反する行為(妾契約)、正義に反する行為(悪事をしないことを条件として金を与える行為)、人権を侵害する行為(男女を差別する雇用契約)などである。

公序良俗違反とは(アットホーム)

 

芸能界に憧れる若者は多いです。現に多すぎておかげで供給過多状態だと言われています。同時に芸能界は危険な場所であるというイメージも漠然とあると思います。

それはこんな例のように無邪気な若者が事務所というものを過剰に信頼してしまい、気がつけば都合の良いようにこき使われている、意に反した活動をさせられてしまう事が多いからだと思います。

この多くは守る必要なんてないのに、脅されて半ば強制的に従ってしまう。そんな被害に遭わないためにも適切な知識、対応の仕方を身につけましょう。

この方は体調が万全ではない中でよくぞおかしいと判断して立ち向かったと思いますね。芸能人と言われる立場の人でも労働者と認められることがある、この判例の意義は大きいです。

この世界のことをこのような視点で見た時にとてもじゃないけど、まだ社会経験の浅い学生の年齢の若者が勢いだけで目指して良い場所ではないです。

それ相応の準備をしないといけない、その準備とは主にビジネスや労働の勉強など『個人事業主』としての知識であると私のブログでは訴えております。

是非他の記事も読んでみてくださいませ。では今回は以上になります。ありがとうございました。

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