毎年、声優という夢を抱いて実際に何かしらの行動を起こす人はそれなりにいると言われています。
声優になるための勉強ができる学校も検索してみると声優が目指せる専門学校(42校)がヒットするので、これらの学校に毎年、生徒が入学すると考えれば千人単位の人数がいるのは間違いないと思います。
さらに専門学校の他にも事務所が経営している養成所などもあります。その数は100以上あると言われています。
主に声優プロダクションが運営している付属の育成機関のことをいいます。 声優養成所は規模の大きなところから小さなところまで、全国に100以上存在します。(東京アニメ・声優&スポーツ専門学校より)
5000人とまではいかなくても3000人くらいの人達が毎年、声優を目指してこのような演技や歌、ダンスを勉強できる所へ通うわけですが、もちろんその中から実際に声優になれる人は100人以下、もしかしたら50人もいないかもしれません。
「声優になれた」という定義をここでは事務所や劇団に正式に所属できたとしましょう。(劇団出身の方にも声優として活動している人はいます)
さらにそこから声優のお仕事を実際に貰って、声の仕事だけで一時でも生活できるようになった人となると残念ながら一人もいないと言っていいと思います。
この現実からたとえ事務所や劇団に正式に所属できたとしても数年後に退所、退団の選択をする人が後を絶たないのです。
では、諦めるタイミングは人それぞれでしょうが、そんな選択をした人達はその後どうしているのかを私が知る限り書いていきたいと思います。
「諦めるタイミングは人それぞれ」と書きましたがどこで諦めたのかも書いていきましょう。
1、専門学校に入学して半年以内。
一番ひどい人だと専門学校に入学して一ヶ月も経たずに不登校になり辞めていく人がいます・・・😓
理由を一つ挙げるのなら、
アニメのことにしか興味がない人で、演技の基礎が中心の一年生の最初の授業にやる気を失くしたのだろうと推測できる人がいました。
要は授業についていけない、やる気が出なかったということで早々に退場していく人が少なからずいるということです。
なぜついていけない、やる気が出ないのかは思ってたのと違った、自分がやりたいのはこれじゃないなどわがままな理由です。
言うまでもなくこんな人はそもそも声優を目指してはいけない人です。
こういう人は普通の職業に就いても長続きしないだろう、採用されるかも分からない、ニート・フリーターになる確率が高い人でしょう。
厳しいと言われる声優を目指す人の中にはここまでレベルが低い人が混じっているのです・・・。
2、二年生に進級する前に退学。
こんな早いタイミングで辞めていく人がいる以上、当然ながら二年生に進級する前に諦めていく人もいます。
理由としては一年間、演技などを学んだけど本当にやりたいことではなかった判断して別の分野の専門学校、大学に進学する人です。
最初の理由と比べればまともな理由ですが、それでもまだ一年くらい勉強したくらいであっさり諦めていく人がいるというのはやはり安易な気持ちで目指す人がけっこういる証拠だと思います。
3、稽古についていけなくて
一年生の授業にもしっかりついてきて、二年生に進級すればもうそんな簡単に辞めていく人もいなくなるのですがここで専門学校、最後の関門として「卒業公演」があります。
声優の専門学校とはいえ一度くらいは舞台演技を経験させる所は実は多いのです。
主に生徒の家族、友達に、学校内かどこかの施設を借りて観に来てもらい、お金も取ることもあります。
そうなってくると講師の指導も今までと比べて厳しくなっていきますし、プレッシャーもかかります。
その公演に向けての稽古に耐えられなくて脱落していく人が何人かいました。
そういう人は無理して公演には出演しなくていいから卒業だけはしようと、学校側が別の課題を出すという対応を私の通った専門学校ではしていました。
こんな風に精神的に追いつめられていた人もいたので、演技をするのが怖くなったということで諦める人もいるんですね。
4、専門学校を卒業して諦める
卒業公演には重圧に耐えられず出られなかった人はもちろん、その卒業公演の関門は潜り抜けるもここまで二年間勉強して自分には向いていなかった、才能がないと痛感して卒業後の進路を養成所ではなく、就職するという道を選ぶ人もいます。
専門学校というのは基本的に誰でも入れて、卒業することも授業に出ていればそんな難しくはないのですが、この時点で入学者の半分くらいは諦めていったと思ってくれていいと思います。
私の専門学校は同期が70人くらいだったのですが、35人は諦めていったということになります。
その人達のその後としては、
ニート・フリーター、別の学校、大学に入り直した、卒業後に就職、
といったところです。
意外とあっさり諦めていく人というのは大体、次なるステップの養成所へ行く前に去っていきます。
ただ、この先へ進むことを選んだ人というのは良い意味でも、悪い意味で粘り強い人達が多く先述した通り、どんなに努力してもダメだわ、稼げないと絶望するまで続けていく人が多いのです。
なので養成所を出て、そこが経営している事務所の所属試験に落ちたとしても「ここまでやって諦めるわけにはいかない」と奮起する人も珍しくありません。
専門学校で二年、養成所でも一年か二年、計三、四年も勉強してきて高いお金も払ってきたのにそう簡単に諦められないのは理解できます。かけた年数は大学卒業にかかる同じ年数ですしね。
が、その諦め切れない気持ちがどんどん自分の首を絞めているのが悲しいことです。
ある同期が言っていました。
「専門学校を卒業しても勉強してきたのが演技だと、向こうは高卒と同じ目でしか見てくれなかった」
諦めて就職活動をするも学歴を見た会社が、声優の専門学校を卒業したというのを見下したということなんでしょうね。
専門学校が存在する以上は、声優を目指した人の学歴が大卒ではない人はけっこう多いと思います。これだけで断念して就職する際にはかなり選択肢が狭くなります。
しかも年齢も新卒よりも上である場合も殆どなので、学歴もなく即戦力となるスキルもないし、実務経験のない人を採用する会社などかなり限られていきます。
このことから20代前半は頑張ってみるも、やもなく諦めていく人の多くは労働環境が劣悪な所か、アルバイトから正社員にしてもらった人、或いは派遣社員など待遇があまり良くない所で働いている人が多いです。
職種はコンビニとか飲食店など慢性的な人手不足の所か商業施設内の専門店など主に販売員の仕事です。
事務所や劇団に所属して、そこからこの業界に自分を繋げてもらおうと期待して目指すでしょうから、どこにも所属できなかったら=諦めましょうとなります。
肌感覚として25歳までにどこにも所属できなかったら年齢だけを理由に断れることが多くなってくるので、そこを目安にしてみるのが良いでしょうね。
中にはなんとか事務所や劇団に所属できた人もいるにはいるのですが、それでも売れている人はいません。
ひどい人だと所属してからもう10年近くが経とうしているのに出演実績の欄をみると3つしかない人がいます・・・💦
いや、ひどいと書いてしまいましたが、それでも事務所に正式所属になってたとえ10年間で3つの仕事しかできなかったとしても、事務所に正式所属する難しさと声優という誰もがやりたがる仕事を勝ち取りお金を貰えたのは確かなら、それだけでもすごいという捉え方もできます。
声優の仕事で報酬を貰えるまで辿り着くだけでも一苦労なのですが、その苦労のわりにはそれ相応に報われないのがこの世界なのです。
あとは声優にこだわらず、俳優として活動をしていくことを決めた人がいるのですがそれだと顔出し、撮影の仕事もあるのでそういう仕事であれば年に何回かは来るそうです。
私も三回、CM撮影の仕事をしたことがあるので声優の仕事と比べれば範囲は広がるので多いのかもしれません。
関連する仕事は来ても年に数回では当たり前ですが、生活できる稼ぎなど得られるはずもなく・・・。
完全にこの世界から離れたわけではない人だとなおさら、芸能活動を優先させてくれる融通の利く仕事を探さないといけないので選択肢は多くありません。
派遣、日雇いの仕事で働いている人も知っています(工事現場の警備員、イベント会場のスタッフなど)
ざっとまとめてみてやはりこの道を選んでしまった人の99%はその後、まともに稼げないまま待遇・環境の悪い、不安定な仕事をしているのでこの記事にアクセスしてくれた方は本当によく考えた方が良いです。
振り返ってみても、なんでこんなリスクが高い道を気軽に選んでしまう人が多いんだと頭を抱えてしまいます。
それも主に専門学校がプロモーションで誰でもチャンスはある!と思わせるような宣伝をしているからだと思うのですが・・・。
その点に関しては「専門学校の闇」と題した記事も読んでみてください。
このブログではそんな人達にもう一つの選択肢として、就職ぜずに個人事業主として働いてみてはどうか?と提案していますのでぜひ他の記事も読んでみてくださいませ。
参考記事「俳優・声優は副業から始めるもの」
コメント