【これがスタンダード】台本の読み方、分析のまとめ

では最後にこの「台本分析」カテゴリのまとめを書いていきます。

リサーチ、下調べ

 

台本をもらった時、最初にやるべき事は台本の舞台となる時代や国、当時、着ていた服装などを調べる。

これは台本の時代が古ければ古いほどその必要性が増してくるものです。

もしも時代は現代、国は日本と馴染みがある場合でも役の職業であったりがいまいち分からないのなら調べる必要がありますし、台本に実在する地名や場所が出てきたら、可能ならそこへ足を運んでそこで流れている空気や匂いを実際に体験してみるのが望ましいです。

とにかく分からない事があったら調べるという事をして、台本の世界を感じてください。

確定情報をピックアップ

 

想像する前に確定している情報を整理。

この役の年齢は?職業は?家族構成などなど・・・。

そして周囲の人はこの役の事をなんと言っているか?また役は自分の事をなんと言っているのか?注意深く読む。

その情報を元に自由に想像で補うべきところを埋める。

細かいキャラクター、性格、役のバックボーン(背景)など。

「前状況」台本では描かれていない部分を考える。

・この役がこの場所へ来る前は何をしていた?どんな移動手段でここへ来たか?

・前のシーンから数日の時間経過があった場合、その期間はどんな風に過ごしていたか?

・役のセリフから何か台本では描かれていないドラマチックなシーンがあったらそれを即興で演じてみる。

役の超目的と小目的を決める。

超目的とは作品を通してその役が抱えている一大目的。

小目的はその超目的へと向かっている途中にも達成しなければいけない局地的な目的。

サブテキストを浮かび上がらせる。

サブテキストとは台本では書かれていない胸に秘めている本音。役がこのシーンで発しているセリフは建前である場合が多い。そのセリフの下に隠している本音を探ろう。

シーン、セリフの変化を読み取る。

単調な、退屈なシーン、セリフ廻しにならないためにも変化に富んだものにする。

そのためには各シーンの流れ、セリフで変化しているところを見つけてそこを変えていく。

まとめでもこれらの項目を真面目に書くと長文になり、かなりはしょって書いたので詳しくは各記事を読んでみてください。

総括

 

ここまでたくさんの項目を挙げましたが、この台本の読み方、分析に関しては最初にも言ったように人それぞれやり方があるだろうって思っています。

必ずしも僕が書いた事をやる必要はないって事ですね。

ただ「リサーチ」の内容はやらないというのら、それはどうなの?と苦言を呈したいですかね。

細かい所で書き忘れたのですが読めない、意味が分からない漢字があったら普通は調べますよね?

とは言ってもやはりそれを放置したまま読み合わせ初日を迎えてしまう人はいるわけで、少なからず恥をかくのは必至です。

そこが仕事の稽古場だとして大先輩とも言える人の前でやらかしたら、最悪あいつとは二度と共演したくないなど思われてその業界ではかなり印象が悪くなる可能性もあるので、調べれば解決する事は取りこぼさないで稽古場に行く方が賢明です。

 

それでその「それぞれのやり方」が明確に決まってなく、スランプ気味に陥っている方にはかなり具体的にこういう作業をやってくださいと提示しているので何かしらの助けにはなるのではないかと思っているのですがどうでしたでしょうか?

演技というのはできているのか、できていないのか、いまいち自分でも分からない、眼に見えにくいものでもあるので役のこと、各シーンを目に見える言葉で表して、台詞を声の高低、大きさで等を決めて言ってみるという具体的な方針を決めておくのは視界がクリアになっていくように有効なのではないでしょうか。

その一方、これらの事を言葉にして丁寧に説明しなくても感覚的に、台本を、台詞を読んだ瞬間に流れの波形を感知して、理解できてしまう人もいます。

俗に言う「才能」がある人ですね。そんな人は自分が今までやっていた事を言語化したらこういう事をやっていたのかと納得してさらに自信を深めるかもしれませんね〜。

こんな事、やらなくても分かるでしょ?なんて思っている人もいるかもしれません 笑

このように理解度は人それぞれなので人によってやる作業、やらない作業が出てくるのは当然なんでしょうが、この読み方がスタンダードになってほしいと思います。

個人的には最低限、これをやっておかないとダメだろうというものしか挙げていないつもりなので。

ともかくどんな読み方でも台本を読み込まないと、向かい合わないとどんな人でもできるものもできないのは変わらないはずなので、どういう風に読めば役に、理想の演技へと近くのか、読み方の一例をご紹介いたしました。

そして演技、お芝居の難しいところはこれらの過程をしっかりと踏んで、いざ立ち稽古に入ったとしても、その成果が出たと言えるような演技ができるわけではないという事で、一番大変なのはこれからなんですよね。

机の上で理論上はこうであるはず、その「解」が導き出せたとしても、それを実践できるか、できないかはまた別の話になっていきます。

そもそもこれらの事を頭に、身体に落とし込んで、どうやって演技に反映させる?と言われてもう〜んと腕を組んで首を傾げますよね。

役の目的が分かったって、このシーンの私の目的は○○と念じるように演じたって上手くいきませんし、そんな事はそこまで意識する必要もありません。

台本の時代を勉強しても、その時代ならではの風景を常に思い浮かべて演じるか?これも違う気がします。

やってみたものの、役に立っているという実感が湧きづらいとまで思ってしまうかもしれません。

じゃあやる必要はない?と言われたら間違いなくやる必要はあるのですが、頭でイメージしたものと実際にやるのでは大きな違いがあるように、また新しい課題に直面してしまい、もうそれどころではなくなるのは事実かもしれません。

じゃあ、どうやるのか?いよいよラストのカテゴリ実践編に入っていきますので、立ち稽古に入ったら何を意識して演じるべきか?を書いていきます。

ではここまでお読み頂きありがとうございます。

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