【読解力を鍛える】台本の読み方、分析「確定情報を整理」

今回からいよいよ台本を開き一ページ、一ページ目を凝らして、台本に書かれているセリフなどを読み解いていくという作業をしていきます。

しかし過去の記事でも書いたように台本の読み方というのをしっかりと教えられた事がないという方も多く、さらに基本、一人で、家でやる事だから何から手を付けて良いのか分からない領域だという事も話しました。

だから、とりあえず自分のセリフ部分をみて、どんな感じで言うのが良いか?と一人で喋ってみたり、セリフを覚えるという作業をするのだと想像したりするのですが、ここでは先ず取り掛かるべき作業というのをご紹介します。

 

ただその前に、前提として・・・

これも同時に書きましたが台本の読み方に決まった手順、方法というのは実はありません。「人それぞれ」と言ってもいいかもしれません。

ですからこれも絶対に最初にやる作業はこれだ、と断言できるものではないです。

極端な話、やり方は自分のやりやすい方法で構わないから結果が演出家、監督の満足のいく演技に仕上がっていればそれで良いとも言えます。

ただそれだと最初のうちは困ってしまう初心者が多いという事から先ずはこのやり方でやってみてと提示して、そこからどんどん自分に合ったやり方にカスタマイズしていくのが良いのではないかと僕は考えたので、一から紹介しようとなったのです。

それを頭に入れまして、では本題です。

想像する前に確定情報を整理する。

 

俳優は台本には書かれていない部分を想像で補うという事もしなければいけません。

小説でもこの場面の解釈は読者によって違うという部分があるように、人によって捉え方、考え方が違う箇所というのは出てくるはずです。

作家もはっきりとした答えは明示せずにここはそれぞれの想像、解釈に任せますという意図で書いているものもあると思います。

そこをどう解釈するかでその俳優の個性が出てきたり、センスが問われると思うのですがその前に整理しなければならないのは台本に書かれている確定情報です。

いくら想像に任せると言っても台本に確かに書かれている情報を無視してしまったら作品に対する冒涜です。想像する前にそこら辺をピックアップしていきましょう。

台本分析とは主に自分の役の心理分析する事でもあるので、自身の役を演じる上でヒントになる情報から見ていきましょう。

何をみるか?それが・・・、

周囲の役は自分の役のことを何と言っているのか?また自分の役は自分のことを何と言っているのか?

 

台本、全ての台詞を読んでみて別の役が自分の役に対して外見的特徴、性格を表す言葉を言っていたらそれが自身の役のキャラクターを固めていく手がかりになりますよね。

たとえば、

こんな時間にまた食べるの?この前、体重計みてショック受けたから痩せるって言ってなかったっけ?」

こんな台詞があったとしたらこの言葉を投げかけている相手は太っている?という外見的特徴が想像できますよね。

ここまで分かりやすい台詞があったら当然、キャスティング時である程度、ふくよかな、少なくともガリガリ体型の俳優は選ばれる事はないでしょう。

「ごめん、俺、心配性でどうしてもこういうの気になるんだよね」

お次はご丁寧に自分は心配性だと言ってくれています。

こうなると心配性だと言える人ってどんな人だろう?と参考になる人物を探して役作りに生かせます。

ぴったりの人が見つかれば役のイメージがより具体的になるかもしれません。

ちなみにこんな事を言わせるという事はもう一人の相手はあまり細かい事だったりは気にしない性格なのかもしれませんね。

が、注意してもらいたいのはいくら役が自分の事をこう評価していても、それが客観的に見て正しいとは限らないという事です。

自分の事を正しく評価できない、本当は違うけどそう思い込んでいる人っていますよね。

そうなってくると今度は自分の事を客観視できない人物となってくる、そんな人とは?・・・ちょっと性格に難がありそうですよね。

相手役が言う事も、自分を陥れるために性格が悪いという悪評をバラまいている場合もあります。

そんな事を誰かがするという事は、逆に自分は妬まれる存在、他人から見て羨むようなものを持っているからと言えます。

台本を読めばこのくらいは直ぐに理解できると思いますが、必ずしも字面通りとは限らないと念を押しておきます。

分かりやすい例で紹介していきましたがここまで親切な台詞はそうそう無いと思います。

多くは台本全体、台詞を読んで掴んだ感覚でこの役、口調が乱暴だから育ちが悪い、控えめで大人しそうなど、キャラクターを掴んでいくのだと思います。

が、想像を膨らませるにしても何かヒントがないと難しいと思うので先ずは台本に書かれている文字を丁寧に、宝探しをするような気持ちで読んで、役の言動から読み取れる確かな情報を整理するところから始めてみてください。

まとめ

では今回のまとめです。

台本読解、分析の第一歩は・・・、

自分の役について、台本に書かれている確定情報、事実をピックアップする事です(外見的特徴、セリフから読み取れる性格など)

別の役、周囲の人物は自分の役の事を何と言っているのか?自分は自分の事を何と言っているのか?をチェック。

その周囲の言ってる事、自分がこう思っているなどは必ずしも正しいとは限らず、違うのであればなぜ食い違いがあるのかも考えてみるのが良いですよね。

他にもこの段階で役の年齢、職業など把握して、前回の記事「リサーチ」で書いたように調べる必要はあるのか考えてみてください。

今回は以上になります。ありがとうございました。

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コメント

  1. […] この「超目的と小目的」の記事で書かれていた事や「確定情報を整理」の記事で書かれた事は演劇界では「9つの質問」と言われているそうです(役の超目的、小目的は?などを決める際) […]

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