【実はやりたい事が分かっていない声優志望者】

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【声優になりたいから専門学校へという道は正しいか?】

ここまで散々この世界を目指すデメリットを書いてきました。こんなひどい世界だなんて知らずに俳優、声優、芸能人になりたいと思う若者が多いというのも、やはりそれだけその分野から感動をもらった、憧れを抱いたという人も多いからでしょう。僕もその一人ですし。

そんな世界だと受け入れた上でなきゃこの世界で長く活動していくのは到底無理なわけですが、それでもまだ消化しないといけない点がございます。

それが明確なビジョンを描く、やりたい事をはっきりさせる事。

「何が自分の芯でありモチベーションであるかを理解してもらう」こと。

この「声優魂」で最も大事なメッセージはこの声優業界はひどい世界だから目指そうなんて思わない方がよいではありません。

それを理解した、じゃあ別の道を歩もうとなった時に何が必要か?と言われたら上記の引用文が大切だと言えるからです。

どこを目指す、何をするにしてもはっきりさせないといけない事です。

 

「声優になりたいです」

これが言えるだけでもやりたい事がはっきりしてるように見えますがこれだけでは詰めが甘いわけです。

声優という狭い範囲とはいえそれでも細く分ける事ができますよね。

アニメ、洋画の吹き替え、ナレーション、ゲームのキャラボイスなどなど・・・。

その中でどれが一番やりたいのか?何があまり好きじゃないのか?それさえ把握しておらず「なんでも良いから仕事ください」と言った結果、適当な仕事が振られ続け何か違うと思い始める・・・こんな人も多いようです。

そう、あなたも含め、たいていの人は「自分のやりたいこと」がわかっていません。だから学校でも養成所でも伸び悩む。プロダクションに入ってからもマネージャーが仕事をとってきてくれない。現場に出てもいまいち手応えがつかめず、こんなはずじゃなかったのにと不満を募らせる。だからますますパフォーマンスが悪くなり、その他大勢の声優として埋もれていく。

このあと最終章に入っていくわけですがこれが人生を生きていくうえでも一番大切な事だと私自身は思えたわけです。

最後にもう一度、今更と思うような事を問われます。

本当の本当に、「声優」になりたいのでしょうか?

だとしたら、それは何故ですか?

と。

そう聞かれたら「演じるのが好きだから」「アニメが好きだから」「多くの人に感動を与えたい」などもはや定番とも言えるような答えが思い浮かび、実際に似たような事を言う人も見てきましたが、

が!

果たしてそれって本当に、心の底から思って言っているの?と納得できない事が多いというわけですね。

「アニメが好きだから声優になりたい」

もっともらしい答えのように見えますが「声優」というのは別にアニメが好きじゃないとできないものではありません。

というかそのアニメにしか目がいってないのなら、芸の幅が非常に狭くなるので、アニメ以外にも映画、舞台はもちろん、音楽、美術など色んな分野に興味を持てと専門学校レベルでも言われます。

それだけにしか興味がありませんというのは声優としても非常に好ましくない状態という事です。

逆にアニメにはさほど興味が無い人が「本物」の芝居ができるという事で重宝される事だってあります。

この声優になれるか否かの条件に「アニメ」がどれだけ好きかというのは含まれていない事は頭に入れておきましょう。

それだけでやっていくのは「きつい」とは言えるわけですね。アニメの仕事だけで生活できる人なんて相当、稀な存在ですし何度も言うようにただでさえ少ない仕事枠をさらに限定させるのは自ら首を絞める行為です。

声優から本格的に舞台演技の方に興味を持ち始めた時期に「声優になるのは諦めるの?」と専門学校の同期から言われた事がありますが「別に俳優だって声優の仕事ができないわけじゃないでしょ」というと、

「洋画の吹き替えの可能性のあるかもしれないけどアニメ声優は厳しいと思うよ。俺は誰よりもアニメが好きだって自覚あるし、そんな人には勝てないでしょ」と言われた事がありますが、個人的にはアニメがめちゃくちゃ好きな人にアニメ演技では勝てないと思った事は一度もありませんし、アニメ独自の演技を求められる事はあるにせよ、それは枝葉の部分なので、それに慣れてしまえば根元がしっかりしているわたくしの方に分があるのではと正直思ったりもしてしまいます。

 

「自分の演技で多くの人を感動させたい」というのも、う〜んと首を傾げてしまいます。

「多くの人を感動させたい」に焦点を当てると、そんな人を感動させる事なんてどんな分野でもできる可能性はあります。

スポーツだってそうですし、料理を作って「なにこれ、美味しい!」と言わせるのも感動に入ると思います。

じゃあスポーツ選手は観てくれる人を「感動させる」ために、料理人は食べてくれる人を「感動させる」ためになったのかと言われたらそうじゃないと思う。

「好きだから」というのが明快な理由でしょう。人を「感動させる」のが目的ならわざわざこんなリスクの高い世界を選ぶ必要はないわけです。もっと自分も気持ちよく活動できる環境が探せばあるはずです。

なら「演じるのが好きだから」と言えれば良いのかと思ったそこのあなた。残念ながらそれでさえ本当に「演じるのが好きなの?」と疑ってしまう人が多いです。

本音、隠している部分に「人気者になりたい、ファンからキャーキャー言われたい」という欲求を持っている人もたくさんいるからです。

率直に言うと、声優志望者の多くが「ちやほやされたい」と言う欲求を隠し持っています。

それ自体が悪いと言っているのではなく、それを隠して表面上では「演じるのが好きで、これが自分の進むべき道」だと思い込んでしまうのが問題だと言っています。

そっちの方が響きは良いでしょうから、つい言ってしまうのでしょうが、それが原因で本当は望んでもいない道に進んでしまうので正直に自覚した方が良いです。

「人気者になってちやほやされたい、だから声優の道を選びました」と。

そうなってくると話は変わっていきます。

自分の超目的が「声優業界で人気者になりたい」というのが一大テーマなら、

作品、演技の質だけで勝負している本格的な舞台に出演する必要はあるか?と言われたらNOではないでしょうか。

それよりもイケメン、美女しか出てこないアニメの作品でキャラソン、ライヴイベントを行う事も視野に入れている作品の出演を目指すという達成するべき小目的も見えてきます。(お気づきの方もいるでしょうが、台本分析で必要な作業に当てはめています 笑)

他にも身近なところから服のセンスが平凡という事でスターが着るようなファッションを、髪型も変えた方が良いとやらなければいけない事がどんどん見えてきますね。

このように自分が本当になりたい姿を、やりたい事をはっきりさせた方がそれに向かって気持ちよく進む事ができるのです。

世間の目を気にして嘘を言ってしまったら自分が本当は望んでもいない話がやって来てしまい、その話を持ってきてくれた人も含めて互いに不幸になります。

正直に生きるって大事ですね。

他にも「声優の世界で稼いでいきたい」というだけに絞るのであれば人気者になる必要はありません。

声優と言っても一般人の耳にはあまり届かない仕事もあるでしょうし、本人が教えないと気づかれないような仕事でもそれをこなす事によって稼げているのならそれで目的は達成しています。

なのに本当はもっとスポットライトを浴びるような目立つ仕事がしたかったと気がついても、こうなったのもこの仕事を引き受けてきた自分の選択ということになります。

ここでも「自分を知る」って大事だなって分かりますよね。これは演技の基礎、出発点として最初にやるべき事としてこのブログでは教えています。

俳優に、声優になるとは「生き方」を選択する事だと書きましたが、何もそれはこれに限った話ではなくあなたの人生はどう生きるのか?そこを決めてこれからやるべき行動を決めないと良い人生は歩めません。

人間の本音として「働かないでお金だけもらって好きに生きたい」というのがあると思います。

ならそれが可能な「生き方」を模索するべきです。そんなの無理だと思うでしょうが、相応の努力次第でそれに近い生き方はできますよね?

例えばサラリーマンが普通に雇われて定年まで稼げる額を5年間で稼げてしまえば後はかなり自由の身になります。

それだけの額を短期間で稼げたスキルを身に付けたのなら、きっともうお金を稼ぐのに困るという事も無くなるのではないでしょうか?

そんなのできるの?と思うでしょうが、世の中には短期間で億単位の額を稼いだ人は少数だったとしてもいるのは事実です。

その目的を達成する手段としてYouTuberデビューして、自分というものを武器にして芸能人に近いような存在にまでなれて、おまけとして人気まで付いてしまったなんて事もあります。

この順番を逆に捉えてしまうとダメだという事です。

ただ単に「人気者」になりたいだけなら億単位を短期間で稼げるような存在にはなれない可能性がありますが、最初からお金をたくさん稼いで残りの人生を自由に生きるのが目的なら、そのために効率の良い手段を選びますのでその結果、人気者にまでなれてしまいましたとなるわけです。

「やりたい事を、目的をはっきりさせる」これは人生を生きる上で非常に大事なテーマと人生の生き方まで学べるのがこの「声優魂」になります。ご興味ある方は是非読んでくださいませ。

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