【俳優・声優になるためには才能は必要か?】

「声優魂」から分かる声優業界の厳しさ

前回はこちら↓

【人気者になるだけでは続かない俳優・声優の世界】

何もこの分野に限らず多くの人が気になる自分には「才能」があるのか?この世界でプロになるには「才能」は必要か?という点。

これには様々な意見がある。

「才能」よりも「努力」でなんとかなるという人もいれば「努力」では越えられない壁があると言う人も。

では大塚明夫さんはどちらかと言うと、この本で明確にこちらだとその姿勢を示している。

それが「才能」という切符が必要だと。

酷い言い方かもしれませんが、大体の奴は”駄目〟なのです。

そうとは自覚せずになんとか必死になって「努力」するも最後は大人にいいように利用されて使い捨てられる。

 

そんな多くの人が夢を見てしまうのは確かにそのような成功を収めた人が存在するからだとも言います。

ではそんな映画、漫画のようなルートで成功を収めた人とそうはならなかった人の違いは何か?と聞かれたら、

「才能」があるかないです。

「才能」がある人というのは、そこそこ素質がある人が必死になってようやく辿り着いた領域にいとも簡単に達してしまう人の事だと言います。

お芝居の勉強をしてきていないのになんでいきなりそんな演技ができるの?と恐れ慄いてしまうような存在です。

そんな存在には残念ながら「才能」ない人間がどんなに努力しても絶対に辿り着けないと言い切っています。

ちなみに本書ではそのとんでもない天才だと思う声優さんを二人あげています。それは誰なのか?気になる方は是非、実際に手に取ってみてください。

できる奴は放っておいてもできるようになるし、できない奴はどんなに時間かけて教えてもできない、

言い換えればできる奴は専門学校、養成所に通わなくてもできるようになるし、できない奴はそういう場所に通おうができない、という残酷な現実です。

そう思わせる場面にわたくしも出くわした事があります。

あるワークショップで演技経験がある程度ある人が何度、やっても上手くいかないね〜と指導者から言われた後に人が変わって、同じシーンだったので違いがはっきり見えたのですが、次の組の人は一度やっただけで前の組では到達できなかったところに行ってしまったのです。

しかもその人は演技経験はないに等しいそうです。

指導者の方も「なかなか上手くいったと思うよ。さっき俺はあんな演技をしてほしかったんだよ、わかった?」とさっきできなかった人に投げかけました。

これにはちょっとできなかった人はショックでしょうね〜。何度やってもできなかった事を別の人は一度やっただけで出来てしまうと。

理想の上では、学校などはこの「できない人」を「できる人」に育て上げる場ということになっているのでしょうが、私の見てきた限りなかなかそうもいかないようです。

 

専門学校の宣伝を見ているとプロの声優になりたい人、集まれみたいなニュアンスの言葉で入学者を募集している印象がありますが、実態は適当にその気にさせておいて2年間を過ごさせて卒業してもらうというのがそこに通ったわたくしが振り返る感想です。

どこでも良ければ養成所にも入れると思いますよ。審査員を学校に呼んで学内の部屋で試験を受けられる恩恵もあります。

それで次のステップに進めたと思うのも厄介です。養成所というのも最近は入所希望者が減っていて人を選んでいる余裕はないので人気ある事務所経営の所ではない限り、大体はどこかに入れます。

そしてお金だけ取ったら片手で数えられる程度の人数を準所属にして後は落として「さようなら」です。

考えてみれば厳しい世界だとなんとなくでも分かっているはずなのでそんな大勢の人が事務所に所属なんてできるはずがないのですが、ここまで来てようやくその現実を「無言」で突きつけられます。

個人的には「あなたは声優になれないから諦めた方が良いです」とはっきりと言葉で言わなくても、せめて不合格にする事によって気づかせて早々に別の道を模索させる事が、傷つくかもしれないが良心があると言えます。

元を辿れば声優を育てる専門学校もそんな必要ないし、毎年募集する人数も100人とか取る必要もないのです。

なぜなら多くの人は声優になれないのだから健全な姿としてはこの人だったらもしかしたら・・・と思わせた厳選された人だけを入学させて可能性がある人だけを育てるというのが本当にプロの声優を育てる気のある学校だと言えるからです。

この手の学校が乱立しているとけっこう前から言われるのは、本来あるべき姿ではないと言えるのがあると思います。

僕が卒業した専門学校もひどい人は授業が始まって一週間で学校に来なくなって不登校、2年に進級する事なく辞めていきました。

こんな諦めるのが早いなら払った高い学費を別の所に使った方がどれだけ有意義だったでしょう。

「そんなやる気のない人を入学させるなよ」という声も学生の間でたまに聞かれました。それはそうです、やる気のある人ほどそんな意識低い人が一緒のクラスに居ると迷惑でしょうから。

このことからも学校、養成所側は入学者をプロの声優に育て上げるよりも「お金儲け」「事務所を運営させていく上でかかる維持費を得るため」を優先させていると言えます。その中から売れた人が、才能ある人がやって来たらラッキーだくらいしか思っていないと思います。

数年間通えばもちろん演技は格段に上手くなると思いますし、人前で話すのも朝飯前になるでしょう。

そういう意味では何かしら得るものがあったと言えるでしょうが、そのレベルが声優、俳優として演技を仕事にしてお金をもらえるレベルになっているかと言われたらそれには多くの人が程遠いことでしょう。

以前にも書きましたが入学者の多くは声優、俳優という「職業」に就きたくてこの専門学校に入ったのだと思います。飯が食えるまでのレベルになっていないのであれば、果たして高い学費を払った価値があったのか?

こう考えるとやはり演技が上手くなりたいならもっと金銭的負担が軽い場所はあるよとも言いたくなりますね。

もしもガチで卒業、ここを出るまでにその稼げるレベルまでに達する事を目標にするのなら、いわゆるスパルタ教育で相当、追い込ませて必死にやるよう促さないと無理だと思われます。

が、そんな厳しい指導についていける人は少ないので退学者、退所者が続出。専門学校はその中退者が多いとそれは問題視されますので、あまり厳しい指導には踏み切れないのです。

俳優、声優として稼ぎたい、なら先ずは専門学校へ行こうという選択に縛られず、今の時代なら多くの選択肢があるとインターネットで軽く調べるだけでも、思ったよりもたくさんあると分かるはずです。

 

自分は一万、いや十万分の一の稀有な存在だとは思わず、今一度この世界に踏み込むリスクもしっかり考慮した上で、安易にいきなり高い学費を払って専門学校に行くなんて即決しない事だと経験者は言いたいです。

とは言ってもわたくしも「才能」はあると思い込んでいて学校に行けば多くの講師の方が認めてくれるはずだと見込んで飛び込んだのでなかなかこれですんなり納得するのは難しいと思いますが。

結果としては大塚さんが言うような「才能」ある人ではありませんでしたが「時間をかければなんとかできる」そんなレベルだと思っています。

では以上になります。最後までお読み頂きありがとうございました。

引用・参考にした本。絶対にこの世界を目指すなら読むべき本です↓

コメント

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