前回の記事では「俳優・声優の道を諦めたことを恥じないでほしい」ということで、
この世界を目指すために専門学校や養成所へ入っても、それが直接、目標を達成するための手段では実はない、なぜならこの世界は今となっては人手不足ではないから。
だから、私たちは正しいと思われていたやり方を実践しても、初めから叶うはずのない夢、目標を抱いていたと言えるので諦めても恥かしがる必要はないと書きました。
しかし、そうは言っても気になるのは現にこの世界で売れている、稼いでいる人達は年齢が若くてもいるにはいるわけでありまして。
そういう人達はどうやって売れたのか、稼げるようになったのか？
これに関しては以前「この世界で売れる人というのはもう最初から決まっている」という言葉を言った演劇関係者の知り合いがいるのですが、つまりそういうことなんだと思います。
このブログでは、事務所や劇団に所属できればあとはマネージャーが仕事をくれるなんていう認識は改めた方が良いと訴えています。
なぜならそれは他者に自分が売れるのか、稼げるのかを委ねていることを意味しているのでそんな受け身の姿勢では最初は上手くいったとしてもいずれつまずく可能性が高いと言えるからです。
とはいえもしも、多くの人が当初イメージしているようにめでたく事務所に所属できてマネージャーが仕事を自分に振ってくれるとしたらそれはなぜなのでしょう？
芸能関係の仕事枠は非常に少ないとも書いてきました。その貴重な枠をあなたに振ってくれたとしたら、それはあなたにはそれだけの価値があると見込まれたからというのが理由の一つにあると思います。
他には事務所から気に入られた、応援したくなる、つまりはこの子を中心に売り込んでいこうと方針を決めたからというのもあるでしょう。
このように事務所から仕事を貰えることを期待しているのなら、まずは自分にそれだけの価値があるのか？と自問してみてください。
マネージャーがうちの子を使ってくださいと必死に売り込んでくれる、あなたのために時に頭を下げてくるかもしれません。
いわば他人があなたのためにそこまでしてくれるだけの価値があるのか？です。
「最初から売れていく人は決まっている」というのはそういう意味でもあると思います。
どうすれば売れますか？と質問されたら、単純にメディア露出を増やせば良いとわたくしなら答えると思います。
テレビドラマ、雑誌、新聞、映画、舞台など多くの人前に自分が出ればそれだけ認知度も高まりますし、ファンになってくれる人もいると思います。
その貴重な枠に入る人はどうやって選ばれたかと言うと、やはり事務所側が予め売り込んでいくと決めた人であったり、制作者側からのご指名であったり最初からチャンスがある人はかなり絞られてしまっているのです。
もちろん基本的にはこの人が多くの一般人に認知されたらきっと人気者になると見込まれればこその待遇です。
たまにコネや事務所のごり押しで大して魅力もなさそうな人も散見されますけど・・・😓
あとは影響力の強いジャニーズ事務所所属のタレントであったり。テレビを観る限り間違いなくこの「ジャニーズ枠」というものが用意されているのは明白だと思います。
そんな風に選ばれた人の多くは残念ながら最初は学校に通って演技を学ぶところからスタートしたなんていう経歴の人はいないということですね。
これはビジネス感覚に例えると「投資」に当たると思います。
このブログは「演劇×ビジネス」ということでもしも演劇、芸能界で稼いでいきたいというのであれば俳優・声優個人も「ビジネスの知識・スキル」を演技の勉強と同じくらい時間をかけて学んだ方が良いと推奨しているブログです。
事務所がこのタレントを売り込んでいこうと決めてくれたのもこの人に「投資」をすれば事務所側にも大きな利益が見込めると判断されたからこそです。
だから他者が時間と労力、お金を注ぎ込んでくれるのです。
当然、事務所だって芸能人をマネージメントする事業をやっている以上は所属タレントの２、３人くらいは売れてくれないと事務所を維持することはできないですしね。
これは芸能人に限らず本や映画などでも同じことが言えると思います。
今年はどの本を、映画をより力を入れて売り出していこうというのは最初から決められているものなのです。
そんな選ばれた作品は新聞や電車内の広告スペースに張り出されるでしょうし、テレビ・ネットCMも盛んに流されるかもしれません。
「この本は面白い！」「この映画は泣ける」と大手の会社が精力的に宣伝してくれたらある程度は買ってくれる、観に来てくれる人はいるはずです。
たとえそれよりも面白い本、映画は他にあったとしても多くの人の目に触れるメディアに広告をうてるだけのお金がないのであればそこまで売れることはないでしょう。
期待するのは一般人からの口コミくらいしかありません。資金がある所はやはり強いです。
ただし、声優という括りに関しては昔は俳優よりも下に見られていた仕事です。
今では信じられませんが声優という仕事をやる人がいない、いわゆる人手不足だった時代もあったくらいです（４０年くらい前）
アニメがテレビで放送される本数が増えたのが原因でしょうね。需要が以前より急激に増えたのです。
そんな歴史もある声優に限っていえば真面目に専門学校、養成所を卒業して事務所に所属、２０代後半、３０代前半くらいから売れ始めたという経歴の人はいるにはいます。
が、今となっては声優は俳優や芸能人よりもなりたいという人が多い世界になってしまいました。
昔は容姿は求められなかったのに、歌、ダンスなんて出来なくてよかったのに、要求されるレベルも格段に上がっています。
こうなってくると声優もちょっと前までは俳優や芸能人とは区別されていましたが、変わらない存在になってしまいましたね。
これからこの世界を目指す人が成功するために意識してほしいことは他者から「投資」する価値があると思わせることです。
ビジネスというのは双方がウィンウィンになることが基本です。
敢えて無名の俳優や声優を主役で起用してくれることがあるとすればそれは制作者側にも何かしらの恩恵があるからです。
演出家、監督からよほど気に入れらたりしたのか、もしかしたら制作するにあたっての資金を一部、事務所側が出資してくれたなんていう理由かもしれません。
いずれにせよ芸能関係の仕事というのは、出演する俳優・声優・芸能人にとっては単に仕事という位置付けだけではなく、とても宣伝効果が期待できることを意味します。
世の中にはその宣伝のためにお金を投じている会社、人もいる以上は、まさかタレント側だけにメリットがある仕事なんていうのは有り得ないと言えるわけですね。
あるとすれば、もはやメインキャストの背景に近いエキストラとしてなら呼ばれるかもしれませんが。
ただひたすら演技が、歌が、ダンスが上手くなれば、実力を磨けば売れるようになる、そういう問題でもないとこの記事を読んでくれた方は是非覚えておいてくださいませ。
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