声優から俳優へと活動の幅を広げるメリット・デメリット

声優の専門学校だからといって声だけの演技をするわけではありません。

むしろ最初は俳優のように動いてもらい即興をやらせたり、ダンスやパントマイムなど体全体を使った表現を学ばせるところが多いはずです。

それも声優という立場の人が色んなことを求められることが多くなったからというのもあると思いますが、他にも「声優というのは俳優の一部」という考えのもと舞台演技を学ばせる学校もあります。

そういう私も、いよいよ本気で声優になるために動く時が近づいて来たとなった時にインターネットで色々と調べてみたら故・野沢那智さんの「声優である前に俳優であれ」という言葉に出会いました。

当時から声優界の大御所として知られていた野沢雅子さんや故・納谷悟朗さんも同じようなことを言っていたし、そのお二方も最初は舞台俳優としても活動していたと知ってからというもの私は考え直しよし、まずは俳優に必要な訓練を中心に学ぼうと決めました。

あと私は正直、この時から声優がいつの間にかアイドル的な扱いを受けているのを見て、そんな存在にはなれないと思ったのでなら本物の、深みのある芝居が出来る声優になってそっちで違いを見せていこうと思ったのも動機としてありました。

他にも学校で舞台演技を経験して体全体を使った演技の方が楽しいと感じた人、何人かは卒業後に舞台俳優として活動している人も居ました。

このように最初は声優になりたいと思っていたけど途中から俳優へシフトチェンジした人もいるんですよね。

中にはこんな人も・・・(俳優としても活動するメリット)

専門学校、養成所を出て見事に事務所に準所属として身を置くことになった同期が居たのですが確かそこから2年ほど全く出演機会が掴めず演じることから遠ざかっていました。

そんな時にとにかく演じたいと思ったのか専門時代、卒業公演として舞台も経験していたのもあってまた舞台に立ってみようと出演者を募集している舞台を探して出演が決まったそうです。それで自分にも出演するから観に来てくれないか?と連絡が来ました。

これが俳優としても活動するメリットだと思います。俳優という一段階、活動の幅を広げたおかげで出演機会を手に入れることがわりとすんなりできたのです。

このブログでも何度も強調していますが俳優・声優など芸能関係の仕事は非常に少ないです。需要に対して異常な供給量があり、全ての人を受け入れることができません。

そうなると当然『俳優→声優』と活動の幅を狭くしてしまうとただでさえ少ないのに、声優に絞ってしまったら出演機会などそう簡単に掴むことは出来ないに決まっているのです。

さらに前回の記事でも書きましたが昔は俳優になって映画に、ドラマに出演したい人の方が多かったのがアニメ・テレビゲームのヒットによりそれが逆転します。今度は俳優より声優の方がやりたい人が多くなっていったのです。

それで声優として演じる機会がないから、俳優の方でとなるわけですね(それでもこの場合は競争が激しいのは変わりがありませんが)

前回の記事はこちら→「時代と共に変化している声優のイメージ

こうなってくると特に声優志望者の皆さんが一番やりたがるアニメやゲームのキャラクターを演じる機会というのは相当、厳しい競争を勝ち抜かないと掴むことは出来ないでしょう。

事務所に所属できてもなかなか演じる機会が掴めない人の中で、とにかく形に拘らず演じたいと思っている人は俳優として舞台や映像作品も考えてみてはどうでしょうか?

私も俳優としても活動していくと専門学校に入る前から決めていたので舞台俳優としてはシアタートラムのステージに立てましたし、映像ではCM撮影も何度か経験してその映像がテレビや街中のスクリーンに流れました。

他にも舞台で録音した声が劇中で流れたり、裏でマイクの前でステージには出ず演じたりと「声のみの出演」という形で関わらせてもらったことがあるので一応、声優としても活動実績があります。

声優という形に特に拘らなかったおかげで卒業後も年に何回かは演じる機会を得ることが出来たのだと思いますね。

だが、しかし・・・(俳優として活動するデメリット?)

そっか〜俳優として活動する方が演じれる機会が多くなるのか〜とメリットをご紹介したわけですが、残念ながらデメリットもあります・・・💦

それは何かというと俳優の待遇が悪いものも多い

先ほど声優として活動していきたいと思うも、なかなか出演機会が掴めないからということで舞台出演を決めた同期はもう二度と舞台には立たないと不満を漏らしました。

一体、何が起きたのか?と言うとそれは出演することになった舞台というのがチケットノルマを課せられて、売れ残った分は自腹という舞台だったのです・・・。

何枚課せられたのかは分かりませんが、どうやらもうこんな枚数はなから売り切れるわけがないと諦めていた様子でした。だから最後の手段では無料でいいからせめて観に来てくれない?と誘っていたそうですね・・・。

チケットノルマが課せられる、売れ残ったら自腹というのはこのブログでも取り上げた話題ですね。他にもノルマは無くても自分が着る衣装は、自分が使う小道具はご自分でご用意してください、役に合うものを持っていないなら自腹でご購入してくださいと言われる場合もあります。

演劇界で注目されていない、そこまで人気のない団体、劇団が行う舞台の待遇というものはこんなもんだと思っておいた方がいいです。

CM撮影など映像の仕事であれば報酬は出ると思いますが、それでもメインキャストではないと少ないです。ただ運良く資金力のある会社のCM撮影であれば高いこともあります。

俳優として活動していけば声優と比べれば演じる機会は得られるものの、出演すればするほど支出だけ増えて収入は微々たるもの、赤字状態が続くことを覚悟しておいてくださいませ・・・。

私も出演したことによる報酬は受け取ったことがありますが、よく考えてみると現場までの交通費は出なかった、お昼は自分で買っていたと思うと金銭面で大した仕事は殆どなかったな〜と振り返ります。

だったら声優の方がいいじゃん!

と思うこともありました。さすがに声優の仕事がギャラ無しというのはあり得ない、チケットノルマだって課せられない、衣装や小道具も用意しなくていい、アニメやゲームに出演できれば知名度が上がるのを期待できると。

特に知名度に関しては悩みどころでした。いくら舞台の出演が決まっても観に来てくれる人はそんないない。しかし、俳優って作品出演をきっかけに知名度が上がるものだと思っていた当時はその作品出演をしてもなかなかステップアップできるものではないと思い知り、本当にどうすれがいいのか分かりませんでした。

だったら、ここは最初からアニメファンが注目して観てくれる、地上波で自分の声が流れるアニメ出演を目指した方がいいのか・・・など今更ながら進路変更したのは間違いだったか?など色々と考えました。

が、そうなると今度はまさにアニメに出演するということは自身の良い宣伝にもなることから、熾烈な競争が待っており出演機会が何年後になるのか分からない、一生来ないかもしれないという恐怖がつきまとうことになる・・・八方塞がりでしたね。

こんな状態になっていよいよ諦めた方がいいのかも、という言葉が頭を過りました。

事実、私は今の調子で活動を続けても売れそうにもないと感じて身を退くことにします。

声優としての道を考えなかったのは当時はすっかり舞台で演じることが楽しくなってあまり興味が無かったのと、声優事務所に所属するにしてもまた養成所に入る気がなかったのもあります。

ここまでをまとめると・・・、

演じる機会を求めるなら俳優として活動する方がまだチャンスはある、しかし待遇は悪いことが多く金銭的な報酬は期待しない方がいい。

声優ならある程度は待遇が保証されていて、拘束時間も舞台ほどではないし、アニメやゲームに出演できればそれだけで知名度アップも期待できるが、仕事の数が少なすぎる上に倍率もとんでもないので、なかなか出演機会は掴めない・・・。

こんな感じです。総じて言えるのは俳優・声優活動だけで生活できるだけの稼ぎを得るのはほぼ不可能ということです・・・。

そう結論づけたからこそこのブログでは「ビジネスの知識・スキル」を身に付けて「個人事業主」として別のビジネスで稼ぎつつ芸能活動を続けたらどうか?と提案しているわけであります。

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