『声優』という言葉に胸をときめかせる人が今では多くなってきていると感じていますがこの言葉が浸透していなかった頃は必ずしもそうでもなかったと思います。
ショックを受けた人さえいました。
なぜかというと、あの憧れのヒロインの声を担当しているのがあの人なの!?と可愛らしいアニメキャラクターとは裏腹に、実際にその声をあてている人の見た目というか年齢のギャップに子供たちはショックを受けたというのは聞いたことある話ではないでしょうか?
知らなくてよかった・・・なんて思ったかもしれません。
現に私も初めて声優さんのお顔を見た時は、あのかっこいい声がこの人から発せられるんだ・・・と似たような気持ちにはなりました。
だから顔出しはせず声のみの出演なのかもしれません。
このブログでも何度か触れましたが声優の歴史を見れば、最初は下に見られていました。
「売れない俳優がやるアルバイト」といった感じで。
これがまさしくカメラの前、映画に、テレビに出すにはちょっと華がない人が担当していた証でしょう。
どうせ顔は見せないんだからということで、外見はどうでもよかったのです。
しかし、そんな人達にも転機が訪れます。アニメというコンテンツが大ヒットしたことによって必然的に声優という立場の人にも注目が集まるようになるのです。
それでも流石にいきなりテレビに出ている俳優、芸能人のように注目されるのではなく知る人ぞ知る、サブカルチャーのような位置付けだったと思います。
私が小学生の頃、世間では音楽シーンがもの凄い盛り上がりでクラスの人はみな何かしらのお気に入りの歌手、バンドがいました。
が、僕はその波にはなぜか乗れずアニメや漫画ばかりに夢中になっていました。しかしそれをあまり大っぴらには言わず、せいぜいテレビゲームが大好きと公言してしたくらいです。
そんな私のいわばお気に入りの歌手、アイドルのような存在だったのがもしかしたら声優という存在だったのかもしれません。
なんだか世間の流行に乗っかれない自分にはぴったりだと思いました。
向こうも人気芸能人、歌手のような存在ではないけどひたむきに活動している、そんな風に映った自分は先述したように最初はアニメキャラとのギャップに戸惑ったものの、それにも慣れて受け入れることができるようになっていました。
そんな存在だったからこそ『声優』という立場の人が、どんどん人気を上げていきイベントを開けば数千人、数万人は集まる、ステージでキャラソンを歌うくらいまで成長した姿を見た時は感慨深いものがありました。
テレビに出ている芸能人や俳優のようにはなれなかった人達が同じように輝いている・・・応援してきて良かったと思いました。
このように『声優』というのは当初、顔出しする俳優としての価値があまり無い人が行き着く場所、だから見た目もいまいち、そんな人がやるお仕事、それがシンデレラのように一転、アニメやテレビゲームの人気がきっかけでスポットライトを浴びることができたわけですが・・・、
ここまで注目が集まる、人気も上がると環境も変わっていきます。
・声優になれば歌える、歌手デビューできると思う人が出てきます、
・声優でもあんなスターみたいな存在になれるんだ、とテレビに出る芸能人や俳優と比べればもしかしたら難易度が低いのかもなんて思った人もいたかもしれません、
・とびきりかっこいい、美人でなくても輝くことができる・・・私でもなれるかも!?
全部、勝手な想像ですが声優の人気の高まりはこんな夢を見させてくれたとは言えると思います。
私も大きな可能性を感じました。これはヘタするとテレビに出ている芸能人より人気あるんじゃないか!?とまだそれほど人気がなかった頃から応援している身としてはあの人気ぶりには驚きました。
それで何が起きたか?と言うと・・・、
・声優だけど大衆に顔出しするのはもはや前提になりつつあった(イベント出演に備えて)
・そうなってくるといつの間には外見の良さまで求められるようになった。現に自分が中学生になったあたりからそれなりに見た目まで整っている声優さんが現れ始めた(谷山紀章さん、浪川大輔さん、能登 麻美子さん、中原麻衣さんなど現在40代の声優さんからそんな印象)
・あれ、気がつけばなんかアイドルグループまで結成されている・・・、
・歌いながら踊っているよ・・・こっちは生演奏で武道館でライブしている・・・これ、音楽アーティストと何が違うんだ?・・・、
もはや後に声優を目指すことになる自分でも途中から大きな変化についていけなくなった😓
要は何が言いたいかというと、声優になるために求められることが多くなった、ハードルが上がったではないでしょうか。
本当に普段テレビに出ていないだけで、芸能人とやっていることは変わらなくなった。それどころか歌って、踊れて、フリートークもできて、演技もできるって超万能人じゃないですかw
ということで現在、昔のように顔出しで演技が出来なかった人がやっていたお仕事、世間の流行に乗れなかった人が愛していたのが声優、そんな面影はなく今やアニメと並んで恥ずかしがることなく大好きですと宣言する人もいるメジャー人気コンテンツに成長しました。
プロスポーツ選手のように、選ばれた才能ある人物しかなれなくなったとも言えますね。
今では俳優や芸能人よりもなりたいと思う人がたくさんいるポジションにもなり、声優の仕事がないから演じる機会を求めて舞台に上がるなんて逆転現象も起きているかもしれません。
「私でもなれる、できるかも・・・」なんて思える領域ではなくなっていったのでした。
この記事は一応、この記事の続きになりますw→「声優アイドル化の時代へ」
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