最近は「アニマル・エクササイズ」の記事を書いたりとまた純粋に演技に関する内容を書き始めたら、次々とこれも書きたいかもと色々と浮かんできたのでもう少し書こうと思います 笑
その中でもわたくしはこれから「身体的アプローチ」のやり方を中心に書いていきます。
この「身体的アプローチ」今までも何度かこの言葉は出てきましたがどういったものなのかはこの記事を読めばなんとなくでも理解できると思います。
今回のテーマは『人間模写』です。
『アニマルエクササイズ』では動物も観察したように、俳優が日常生活を送るにあたって習慣にしてほしいのは他にも『人間観察』だとはよく聞く話ではないでしょうか?
私たちの目の前で繰り広げられている何気ない日常、その中に役作りの上で役立つヒントが隠されているからです。他にもあの人はなぜあんなことをしているのだろう?と想像力を働かせるという意味でも『人間観察』は有効です。
それを促すためのエクササイズとして『人間模写』というものがあります。まだ普段の生活の中から学ぶ習慣が身に付いていないということで初心者に向けてやることが多いような気がします。
やり方は色々あるのですが一つ目は『想像力』も鍛えるという目的で、リアリティある人間が描かれている絵を一つ選んで、その絵の中の人と全く同じポーズをしてみてください(自分がやった時は美術的、価値があると認められている有名な絵画の中から選びました)
そしてそのポーズをした時に湧き出てくる感情を、思っていそうな気持ちを言葉にする、つまり声に出して言ってください。
これをすることによってこの絵の人はこの瞬間、どんな気持ちでいるのかに留まらず、そこを起点にその前までは何をしていたかなどその人物の描かれていない背景にまで想像を膨らませることを目的としています。
まさに役作りと全く同じことをやっているわけですね。
さらにある姿勢、ポーズをすることによってそれだけでも勝手に内面が、気持ちが変わってくるというものも経験させて『身体的アプローチ』とはこういうことだと分かりやすく説明するためにも良いエクササイズだと思っております。
2、街中を歩いて、そこで目撃した場面を再現してみる
今度は一つ目より難易度は高くなります。ではその普段の生活の中で、街を歩いている時に目撃したある場面を動作や発した言葉、口調や声の高さも含めて細かく再現してください、というのをやってもらいます。
もちろん録画をするまでは求めていないのでそんな長いシーンである必要はありませんが、もしも本格的にやるのであれば言葉は適度にメモをするくらいはしてほしいと思います。
あとは面白い、面白くないは気にする必要はありませんのでそこは覚えておいてください。
ここでの目的は『人間模写』日常シーンの再現です。その人にとって芝居ではなく、ごく自然な状態でその場に居るというのは演技をする俳優にとって理想な状態です。舞台上やカメラの前でも観察したあの人のような状態で『居る』ことが素晴らしい演技の第一歩というのを覚えさせるためのエクササイズになります。
そういう意味では映画「デッド・バンディ」のラストを観た時には驚かされました。記録として残っている実際の映像を作品内で俳優たちは完全に再現していたので。
これを観れば実際に起こったシーンを完全に再現する凄さが少しは分かるんじゃないかな〜?
と、こんなことをするだけで実は『ある役を演じている』とも言えてしまえるのです。台本と睨めっこして頭を悩ませたわけではない、ただとにかくある人物のポーズや言動を真似する、再現するだけでも自分ではない、誰かを演じているのです。
気軽に他人を演じられると言えればやはり初心者には先ずは『人間模写』からやらせるのは非常に有効なんじゃないかと思いますね。
『人間模写』から脚色して・・・
ここから少し思いついたことなのですが、この街を歩いて目撃したシーンを再現する、その発展系として、ではこのシーンを元に物語として面白い短編戯曲を作ってみようというのも面白いかもしれません 笑
これと似たようなもので、即興で生まれた物語を元に台本を作るというエクササイズがあると聞いたことがあるのでその応用みたいなものです。
オチがしっかりある台本を作ることも求めているのでさらに難しくなりますが、作家側に立つというのも俳優として無駄な経験ではありません。チャレンジしてみましょう。
もう一つこれの特徴としてはモデルにした人物たちを俳優たちは実際に見ているのでそこから役作りをする、これも実在する人物を参考にしたという意味では『身体的アプローチ』になります。
いつかはこれを応用して「この役って台詞からあの人を連想させるわ」と思ったのなら、その頭から出てきた人物の特徴を参考にして役作りをしていけばいいわけですね。
形から入る、ある人物をモデルにして役作りをする、演じる経験したいのであれば『人間模写』は一度はやってほしいエクササイズになります。
では今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
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