【演技が上手くなるには】「自分を知る」初心者がまずやるべきこと

今回は演劇未経験者、初心者の方を対象に先ずは何をやれば良いのか?その第一回目の記事となります。

このシリーズを順番に読んでいけば素晴らしい俳優になるためには、人々の心を打つお芝居をするにはどうすれば良いのかその全体像が見えてくると思うのでご興味ある方は是非、最後までお付き合いくださいませ。

 

では、とあるスペースがある程度、確保されている場所に10人前後の演劇を学びたいと思って来た人が床に座っているとしましょう。その人達に僕は先ず何をしてもらいたいかというと・・・、

自己紹介をする。

 

別の記事で俳優とは『他人』を演じるのが仕事と書きましたが、その前にやるべき作業として自分を知るというのがあります。これも少し触れましたね、僕が受けてきた教育には自分を知るという時間があると。

いきなり『他人』を演じると言っても初心者には天才でもない限りできる事ではないので、なら先ずは身近な『自分』から知ろうといったところです。

他人はもちろんの事、意外にも自分についても実はよく分かっていなかったというのはあります。以前、母親に「好きな食べ物ってなに?」と聞いた事があるのですがなんと直ぐに答えが返ってこなくて挙句に「特にないかもしれない」とだけ返ってきました。なぜそんな質問をしたかと言うと、いつも母親は他人を優先して自分を後回しにして行動していました。今日の夕食を決める時も。そんな母の姿を見てふと母さんの好きなものってなんなんだろうと疑問に思ったのが始まりです。逆に苦手な食材、食べれないものは自覚しているのですが、好きな食べ物はよく分からないという答えにはなんだか悲しくなりました。

俳優を目指している者ならこんな簡単な質問にも答えが詰まるようでは困ります。当然、生きていけば色んな食に触れる事でしょう。その過程でこれは好き、これはあんまり好きじゃないという意識を持って食べて自分の好き嫌いというのを把握して『自分』というものは何者なのかを分析、把握して生きましょう。

食を例に挙げましたがこれは全ての分野、カテゴリに当てはまると思ってください。(音楽、本、映画、動物などなど・・・)

ちなみに僕はあっさりした食べ物が好きなんだと自覚しています。パスタならミートソースよりペペロンチーノ、焼き鳥ならタレより塩胡椒味の方が美味しく食べられたのでそうなんだと自覚しました。スナック菓子なんかもコンソメとか濃いやつより、最近はレモン、ゆず胡椒なんかの味が出ていてそちらを好んで食べます。

こんな風に意識して日常生活を過ごしてほしいという事ですね。

きっと演劇を学びたいと思っている方というのは自己主張をしたい人、内に熱い想いを秘めている人が多いので今までの経験からして皆さん嬉しそうに、楽しそうに語っていた印象がありましたが、ここでの自己紹介のやり方にちょいと指定があります。

円、サークルを作って全方向を意識して話す。

 

最初なので恥ずかしい気持ちもあるでしょうが、なるべく視界に入ってくる相手を意識して、時には首を動かして目線を変えながら話してみてください。相手を意識して話す、これは芝居をする上で非常に重要な要素であったりしますので今の内からこういうのも意識してみましょう。

自己紹介という事でそれに関する事であれば好きな事を話しても構わないのですが、あまりにも自由過ぎても何を話すべきか悩むと思うので、いくつかこれだけは話してほしいというのも指定していきましょう。やはり演劇を学ぶ場らしく・・・。

1、なぜあなたは演劇をやりたいと思ったのですか?又は俳優になりたいと思うようになったのですか?

2、あなたが今まで観てきた舞台、映画、ドラマの中で一番感動した、良かった作品はなんですか?一つ教えてください。またその理由も教えてください。

3、あなたが目指す、理想とする素晴らしいお芝居とは?

これにプラスして一般的な自己紹介らしく名前、出身地、年齢、ここまでの演劇経験などを話せばわりと濃い自己紹介ができるのではないでしょうか。他にも何か話したい事があったらどんどん話してもらって構わないという事も伝えて好きに話させてください。では、5分ほど話す内容を決めるシンキングタイムを与えて自己紹介スタートです!

・・・僕もこのような形式の自己紹介を経験した時の事を思い出しましたが、どの方も熱い想いを語られていて大変、有意義な時間だったと記憶しています。では一人ずつ自己紹介をしてもらい、その人が終わった時にしてもらいたい事があります。それが、

質問タイム

 

先ほどまで聞いた自己紹介の中で「じゃあ、これについてはどうなのか?」「その話についてもっと詳しく・・・」など様々な疑問を持ったと思います。特にないと思った人はもっと他人に興味を持ってください!

これこそまさに『他人』を演じるのが仕事の俳優にとって一番必要な意識ですよ〜。台本の中の役は質問しても答えが返ってくる事はありませんが台本、役の分析とはこのような作業と思っていただければ分かりやすいのではないでしょうか。自分を知るという作業と同時に、せっかくなので軽く他人を知るという事もやっちゃいましょう!全員が一個ずつ質問してしまうと時間の問題も出てくるので一人、2、3個の質問が出たら次にいってください。ここでも決まりを作って、一人、一回は必ず質問をするというのがあっても良いかもしれませんね。

この一連の流れを10人前後の方達にやればけっこうな時間が過ぎると思うので今日はここまでということで。

まとめ

この回では『自分を知る』に重点を置いて、それに加えてその先の他人の事にも興味を持ってほしいとうのが伝えたい事です。それを今回の自己紹介をきっかけに意識して、これからの日常を過ごしてほしいといった具合ですかね。

自分というものが分かってくれば『役』との違いもおのずと分かっていきます。この役、自分と似ている部分がたくさんあるな〜となればそれは比較的、演じやすい役かもしれませんし、その逆なら大変、苦労する事でしょう。その自分と役がどのくらい共通点があるのか、かけ離れているのか、そこを理解しないと今後の方針も何も決まらないと思うので、『自分を知る』ここからが演劇を始める上での最初の第一歩だと僕が演劇を教える場合でも外せないと思いました。

では今回は以上です、ここまでお読み頂きありがとうございました。

 

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