この記事からは「台本分析編」という事で新しいカテゴリに入っていきます。
演劇、俳優を趣味でも経験された方であれば絶対に悩むであろう台本の読み方、分析をどのようにしていけば良いのか、その方法を具体的にご紹介していくカテゴリにしていきます。
これに関しては別にオンラインでも完結する事が可能な作業となりますのでこのシリーズで一番シェアする価値があるのではないかと思います。
では、初回は・・・、
台本を読む、分析とは?
先ずは演劇において台本を読む、分析するとはどのような行為なのか?その概要を簡単にご説明します。
基本的には家で、稽古場に行く前にやってくる事。
はい、という事は原則は一人でやる作業という事になります。だからオンラインでも完結できると言えるんですね。
が、これも多くの人が「どうやればいいの?」と戸惑ってしまう一つの要因でもあるのではないでしょうか。
なら最初に演劇を始めればそのやり方について教わる事があるのか?と言われたら明確に今回は台本分析について教えます、というような時間を設けてくれる場というのは意外にもないんですね。
しかしだからといってこの世界は甘くありません。
稽古場というのは俳優が考えてきた演技プランを先ずは演出家に披露して、それに対してダメ出しをもらい修正する、ブラッシュアップする、これをただひたすら繰り返す。それが演劇、特に公演に向けた稽古。
このように教わりました。この考えに僕も異存はありませんけど、先ほども言ったようにそこだけに焦点を当てて教えてくれるところは実は少ないです。
日本の稽古事情として大体、本番一ヶ月前から稽古を集中的に始めるというパターンが多いです。
そんな僅かな期間しかないのに出演者の一人が明らかに自分はこのシーンをこういう風に演じたいなど頭に思い描いているものはなく、台本の読み込みが甘い人がいたら稽古が停滞してその分、最終的に仕上がるクオリティは落ちていきます。
そんな重要な作業なのに初心者のうちに教わる機会が無い人もいるというのはやはり日本の演劇教育は未熟、行き当たりばったりと言えるでしょう。
ただ、これが公演に向けたものではなく初心者の集まりであったり、各々が演技力向上、それだけを目的とした場であれば許されるし、指導者は絶対にここだけに着目して教える時間を作るべきだと僕は考えますが、それも最初のうちだけだと言いたいですかね。
やはりせっかく人を集めて稽古をするのですから、その場でしかできない事に集中したいと思いません?
台本の読み込み、分析というのは一人でもできる以上は、予定を合わせて人が集まっている稽古場で、そこに時間をかけるほどもったいない事はないと思います。
例えばこんな事で時間を使うのはもったいない!
「はい、ストップ。そもそもこのシーンをどういう風にしたいのか見えてこないんだけど?今さっきどんな演技をしようとしていたのか教えてくれないかな?」
「えーっと、それは・・・」
こんな感じであなたの演技プランを演出家、指導者から聞かれて、首を傾げて答えが詰まっているような時間を無くしていきたいという事ですね。この人は何も決まっていないと判断されたら、厳しい人だと今日はこのシーンの稽古はしないと言われて飛ばされてしまいます。
優しい人であればどうしていけばいいだろう?と考えさせて、じゃあこれでやってみようと仕切り直してくれますが、今までの経験上、結構それで時間を取られますのでやはりこんな時間は減らしていっていくのにこした事はありません。
それよりも、こんなやり取りを増やしていきたい!
「うん、なるほど。やりたい事は分かった。でも今のだと相手の事を若干、無視しているから今度は相手に集中してやってみようか。その過程でさっきのとは別の感情が生まれたらそれに従って演技して」
「相手を無視しているというのはどういう事ですか?」
「相手の演技に対してのリアクションがそれと噛み合っていないって事かな、それよりも自分のやりたい演技を優先していて・・・」
この会話の内容にいまいちピンとこないという方は今はまだ分からないままで良いです。が、このやり取りは一緒にやってくれる人がいないとできない稽古の一例です。
互いのやりたい事は分かった。ただ今はまだひとりよがりの芝居になっていて、交流になっていないからその点をどう修正していくか話し合いもう一度、それを踏まえてやってみる。
こんな内容が有意義な稽古と言えるのですが、まぁ、絶対にろくに考えてこないで稽古場に来る人が一人はいるのでその理想が実現するのはなかなか難しいです・・・。
読み方、やり方は人それぞれではある。
こういう側面もあります。俳優の数だけそれぞれ読み方、やり方があると。
例えばただ台本とにらめっこして感覚的に「こんな感じかな?」なんて思いながら演技方針を決める人もいれば、ノートにびっしり思った事を書き連ねていく人もいます。
しかし理想の流れとでも言うのか、そういう自分なりのやり方というのは最初は誰かに教わってその通りにやっていくうちに、自分だけに特化したものにカスタマイズしていくものではないかと思っております。
いずれ師匠の元から誰もが巣立って一人でもやっていけるようになる、僕もそれが目指すべき所と思っておりますが、順番としては先ずは教わった事を忠実にこなしていこうというのが先ですよね。
少なくとも台本分析に関しては初心者にはいきなり、先ずは自分で考えろと突き放し、一人でやらせるものではないとわたくしは考えています。
一人で家でやっていく作業だから周りはどんな風にやっているのか見えてこないこの台本の読み方、分析、読解。
最初のうちは誰もがやった方がいいものをご紹介していく予定ですが回を重ねて、どんどん深いところへ触れていくにつれて「浅川のやり方」に近いものになってしますが、その一人の俳優がやっていた台本分析、読み方を丸裸にしていくので、そういう意味で人によっては興味深いものになっていくのではないかと思いますので是非チェックしてみてください。
まとめ
簡単にまとめです。
台本を読む、分析という作業は基本的には一人で、家でやっておいて、稽古場へ向かう。
なぜなら多くの人が予定を合わせて集まっている貴重な時間を一人でもできる事に費やすと、一人では絶対にできない稽古の時間が少なくり、それが公演に向けた稽古なら最終的な仕上がりの質が落ちるというデメリットがあるからです。
では今回は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。
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