【俳優・声優の演技】「世間体に合わせる」

演技上達法、実践編の二回目は「世間体に合わせて演技をする」をテーマに書いていきます。

これを読む事によって演技をする際に役を一番「縛り付けているもの」はなにか?がはっきりして、より明確な方針を持って演技ができるようになります。

では中身に入っていきます。

世間に合わせるとは?

 

前回の記事でも似たような事を書きました。

「周りの状況に合った演技をする」と。

この場合は役が、今どこにいるのか?周囲に他人はどれくらい居る?時間帯は?を意識して、それに合った演技をしてくださいというのを書きましたが、

今回、伝えたいのは・・・、

「役を取り巻く環境」

と、言えばいいでしょうか。

例を一つ挙げると・・・。

こんなシーンがあったとしましょう。

Aさんは30代後半男性で結婚していて、小学1年生の子供が居ます。

ある日、Aさんが出勤中、妻から電話がかかってきます。その内容が・・・、

「子供が登校中に車に轢かれた」

でした。その一報を聞いた時には既に会社が目の前にありこの時、Aさんが取る行動として・・・、

とりあえず会社へ向かうというのが一つ、考えられます。或いは会社に電話の方が早いと判断するかもしれません。

この時のAさんの心理を分析

急に子供が車に轢かれたという連絡を受けて気が動転しています。この時点では命に別状は?どの程度の怪我を負っているのか?不明ですので余計に不安は増幅します。

本音といたしましては今すぐにでも引き返して子供の無事を確認したいという衝動に駆られるでしょうが、

その前にやる事があります。

Aさんは会社に雇われている身です。そしてその会社に向かって出勤中です。その会社は目の前にあります。なら、

会社に先ずはこの事故の事を知らせて、帰っても良いか許可を取る必要があります。

これが世間に合わせた、社会人として至極まっとうな行動という事になります。

大人というのは本音で行動できない場合が殆ど。

 

上記の分析で注目してもらいたいのは「本音」は今すぐこうしたい、でもできないという一連の流れです。

それはなぜか?

Aさんは人間社会の一員で、多くの人と関わって生活しているためいくら事情は深刻でも、その関係者に連絡無しに行動する事は許されない場合も多いからです。

ましてやこの時はプライベートの時間ではなく、出勤しなければいけない時です。本来、来るべき人が来ないと心配させるのはどうしてもできませんよね。

だから本音を抑えて、取り乱した心を抑えて、自身が置かれている環境に合わせて行動しないといけないのです。

ここでも本音と建前、胸の内に抱えている「サブテキスト」子供の心配で一杯でしょけど、第一に取る行動、発する言葉は会社に帰宅する許可を貰うために必要な内容になります。

人間というのは周りの目を気にして生きている。

 

社会人、大人を例に挙げましたがこれはある程度、成長した子供にも言えると思います。

おそらく小学3年生、4年生くらいになればもう周囲の目を気にしながら生きているのではないでしょうか。

子供の場合で考えられるのは・・・、

・ここで泣くのはかっこ悪い。

・下の兄弟のためにここは譲ろう。

・先生にバレないように・・・

大人になるにつれて正直に感情を吐き出す事ができないのは、このこのくらいの歳になったのなら泣くなんてみっともないという意識が働くからでしょう。

身近に年下の存在が現れたらまだ子供でも、早くも年上だからという理由で我慢しなければいけない事も増えてきます。

本音はなぜ建前に隠れているのか?それはやましい事をやっているから意図的に隠しているからとも言えるかもしれません。

このように人間は世間の目や、周囲の環境に縛られて生きているので、それに恥じないように本音を隠して振る舞うという事をします。

このような視点を持てばなぜこの役はこんな事を言うのか?こんな行動に出るのか?が見えてくるかもしれません。

それはつまり多くの場合は本音はこうしたいという実際に声に発している言葉とは別に「サブテキスト」も抱えているという事になります。

参考記事「サブテキスト」

まとめ

 

では今回のまとめです。

演じる時に意識するポイントとして今回は・・・、

・役を取り巻く環境に合わせてる。

というのを挙げました。その環境とは役の年齢、社会人としての立場、周囲の眼に恥じないような言動を取るという事が言えると思います。

それに合わせる事によって本来ならこうしたいという本音を隠して、我慢する必要があります。

その気持ちを正直に出すという行為は歳を重ねていくにつれてできなくなり、早くも小学生の内からもうそのように周囲の目を気にして生きていると言えます。

では今回は以上になります。最後までお読み頂きありがとうございました。

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