今回は家に居る時でも出来る演技の練習法をご紹介したいと思います。
やはり他者から見ても上手いと言われる俳優・声優さんというのは影の努力というのを怠りません。
特に家に居る時、プライベート空間に身を置いてリラックスできる場所でも、そこに居る内の数時間を何かしらの自分磨きに使っているはずです。
おそらく、ここでの時間をどのように使っているかで、やがて大きくライバルと差をつける事ができるんだと思います。
たとえ演技経験も同じくらいで、同じ専門学校や養成所に同じ時期から通い始めても、数ヶ月も経てば目に見えて差が広がり始めるのもそれ以外の場所で、有効に時間を使っているのかいないのかも関わっていることでしょう。
授業や稽古が終わった後に何をしているのか?
バイトやまた別のレッスンに通っている人もいるでしょうが、一番緩みがちなのはやはり家に居る時です。
ここでも演技が上手くなるために時間と労力をかけられるか?も大事になってくるわけです。
しかし、演技というものは言い換えれば他者との交流を意味するので、なかなか一人でやるというのも難しいものです。
真っ先に思いつくものとして、与えられた役の台詞を一人で言うというのがあるかもしれませんが、実はこれはあまりオススメしません。
台詞を覚えるために声に出すというのが目的であれば、それは一つのやり方として有りだとは言えますが、
この台詞をどう言おう?とかそんな目的であるのなら、それは止めた方が良いと思うとわたくしはアドバイスします。
なぜなら、それこそ、台詞の言い方というのは他者、相手との交流を通して決まるものであって、予め決めておくものではないからです。
このへんは「相手を意識する」などの記事を合わせてお読みください。
台詞というものを最初からこう言おうと決めてしまうと、その時点で演技というのがつまらなくなります。
素晴らしい演技というのは、その場での交流で生まれた自然な会話と言う事もできるので、演技がスタートしたら台詞の言い方など忘れて相手に集中してください。
では、どんなことをすれば良いのか?
演技からちょっと離れますが、家でも出来る芸の肥やしで代表的なものは本を読む(特に小説、戯曲)映画を観るというのが挙げられます。
人によっては息抜きになる行為ですが、演劇人の場合はこれは仕事のために必要な事に該当しますので、ここらへんは素晴らしい事だと思いますね 笑
あとはストレッチ、身体の柔軟なんかも良いでしょう。
ここらへんはご近所を気にする必要がないのも良いですよね。
・・・はい、そうです。
俳優・声優なら一度は経験があるでしょう、
近所、隣の部屋から声がうるさいなど騒音に関する苦情を言われないかという心配😓
これがあるからあまり家では思い切って声を出せないわけですが、それでもやりたいと思う時はあると思います。
そこで家の中で、小声でもできるおすすめの練習法は何か?と考えた時にこれが良いというものが一つありました。
それが自分の声を録音して、滑舌、思い通りの音が出ているのかをチェックするというものです。
滑舌練習で毎日、新聞の記事や早口言葉を読むという人はいると思いますが、それだけで満足してはいないでしょうか?
今では自分の声を録音するというのはかなりハードルが下がりました。もう誰もが持ち歩いてるスマホの機能にそれがあるのですから。
ですので、せっかくなら録音もして客観的に自分の声を聴いてみましょう。
機械に繋げて録音するマイクも、手頃な値段でも性能が良い物が多く、小声だったとしてもマイクの近くで声を出せばしっかりクリアな音で録音してくれます。
録音した声をチェックする時はイヤホンで聴けば良いので、そこまでうるさくはならないはずです。
これはわたくしも実践済みですが、3千円くらいのマイクを使って、
「こんな小さな声でも、ここまでしっかり録音されるんだ」
と、びっくりしました。これなら近所はもちろん、一緒に住んでいる家族にも声を出しているなんて気づかれないだろうと思いました。
コツとしては、マイクと自分の口を数センチまで近づけて、ウィスパーで声を出せばOKです。そして録音時の音量を最大まで上げれば、それなりの声量で録音したような音源になります。
そんな感じで録音して、自分の声を聴いてほしいのですが、そこで何を意識してほしいのか改めて書きます。
読み上げる文章で基本なんでも良いのですが個人的には、
滑舌チェックをしたい場合は新聞記事など、どちらかといえば感情の起伏がなく読める文章が良いんじゃないかと。
たくさんの文章を読んでいけば、読みにくい言葉やその組み合わせというものがだんだんと分かっていきますので、そこら辺を重点的に聴いて、ちゃんと読めているか確認しましょう。
録音して聴いてみると自分が思った以上に聞き取りづらい場合が最初は多いので、こんな風に読まないとダメなんだというコツを繰り返し練習して掴んでいきましょう。
で、滑舌に関しては改善するのはそこまで難しくはなく、そんなに書く事はないのですが、
この自分の声を録音して練習する意義として大きいのはこちらになります。
それが先に書いた通り、
自分の思い通りの音が出せているのかいないのか?です。
こちらの練習をする時は役が言う台詞を用意してほしいです。
そのうえで何が言いたいかというと、
頭の中で思い描いた通りの台詞が実際に言えているのか?
言い換えれば、思い通りの音が出せているか?とも言えると思います。
思い通りの音とは、
自分がイメージした音の高低、
他にはスピードや間の取り方などがあると思いますが、これら台詞を言う時に必要な要素、全てがイメージ通りに出せているのか?です。
これに関してはこちらの記事も参考になると思います。「台詞の変化」
こちらの方がおそらく録音した音源を聴いてみたら首を傾げて、
「なんか思っていたのと違う・・・」
という感想が漏れる事が多いと思います。
どこに違和感があるか?
本当はもっと高い声のイメージだった、
自分が想定した年齢より老けた声に聞こえる、
想定した場所で言っている台詞とはとても思えない、
などたくさん不満点が出てくるでしょう。
なぜこんな食い違いが起きるかと言うとやはり、
イメージしたものを体現できるだけの技術がまだないの一言に尽きると思います。
これは俳優・声優には必須の技術になります。
自分が出したい音が瞬時に出せる、或いは演出家、監督から要求された台詞のニュアンスを直ぐに提示できるというのは。
これができない俳優・声優は今後使ってもらえない可能性が高いので必死になって取り組むべき事だと思います。
そのための方法としてはこのように自分の声を録音して、ちゃんとまずは自分が納得できるだけのものを出せるようにするべきだとわたくしは思います。
やはり実際にやってみて効果はあったと思います。
自分では高い声を出せていたつもりでも、そうでもなかった、なら発声時、意識するべきところを変える必要があるなど、頭の中と実際に出す声を一致させるための作業として有効だと思いますし、
何度も自分の声を聞く事によって癖みたいなものも発見できるようになるので、声の特徴なんかも掴めてきます。
それでこの役ではその特徴は隠した方が良い、逆にこの役には自分の個性を生かせるんじゃないか?など役作りにも大いに役立つ事でしょう。
演技が上手くなるために最初にやるべき事として、このブログでは「自分を知る」というのをあげています。
なら、自分の声についても知り、そして自在に操れるようにしていきましょう!
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