声優の専門学校で教えている人ってどんな人?

演劇コラム

今回は演技の指導に関するお話をしていきたいと思います。前回の記事で日本の演劇教育は未熟だとちょろっと書きました。だから僕が正しいと思う教育をインターネットを利用して発信して、一人でも多くの人に知ってもらうのがこのブログでの目的だとも。

今回はその日本の演技指導の実態についてもっと詳しく書いていこうと思います。

日本で演技を学ぶ場合、どこで、誰から教わるのが良いのか?

これに関しては残念ながらここだ!というものが無いに等しいと言っていいです・・・。そもそもこの世界、どこの学校を卒業しているからある程度は信頼できるはずだという発想がありません。

一般的には入学するのが難しい難関な大学出身者だと分かれば「おっ!すごい」と誰もが思うでしょうし、就職する際にも有利になります。そんな学校が演劇界においては無いということですね。

演劇に関わる者であれば知らぬ者はいない有名劇団の養成所出身だと名乗ってようやく「じゃあ少しは勉強してきたんだね」と言われる程度です。

さぁ、この時点でかなり問題ある事を書いているのですが皆さんはどう思うでしょうか?要は何年も必死になって、お金もかけて勉強してもそれが直接的に大きな仕事を掴めるきっかけにはならないと書いているのです。そんな人が優遇されるわけではない、じゃあなんのために専門学校とかあるの?と思いますよね。

例えば専門学校で指導している講師陣の質

日本の演劇界は勉強をしてきた者に対してそんな眼でしか見ていないのなら、じゃあ例えば専門学校で教えているような人ってどんな人達なのか?

実際に専門学校で演劇を学んできた人なら思い当たる人がいるかもしれませんが正直この人、先生と呼ぶにはどうなの?と思う人が何人かいたと思います。

もちろん何かしらの肩書き、実績はある人達です。が、その俳優や声優活動のかたわら専門学校で講師としても働いている人とも言えます。

・・・一見、特に問題がある文章には見えませんがネガティブに捉えるならその本業である俳優、声優としての仕事が少ないから藁にもすがる思いで副業のような位置付けで指導者として働いているとも言えます。

実際にこの手の学校で働く講師達はその本業である仕事が入ってきたらそちらを優先して授業が休講になる事も年に何回かはあります、僕が通った学校もそうでした。

「あぁ、そうか。この人達も本音を言えば本業だけの稼ぎで生活できるならそれにこした事はないって思っているのか・・・それができないから専門学校でも働いて・・・」

そういう眼でも見るようになってしまったのも、そうぶっちゃけてくれた先生が僕の専門学校に居たからなのですが 笑

「みんなは僕の事を凄い人だって思ってくれているようだけど、本当にこの世界で認められている人ならこうして専門学校で教えているような暇なんてないから」

この言葉を聞いてう〜ん、確かにそうとも言えるのかと思ったものです。

教えるのが上手い人もいますよ、でなきゃ僕が発信してシェアしようとは思えないです。が、大多数は別に学校の講師として演技を教えるために演劇の世界に入ったわけではなく、仕事がないからやるしかないと思ってやっているって事ですね。

 

ここまでをまとめると、

俳優、声優を志している人達の前で演技指導をしているという人は本業での仕事が少ないからその選択をしている人も多く必ずしも指導者として向いているわけではないという事です。

とはいえ、講師陣に誰だか分からない人しかいない学校だと選ぶ側にインパクトを与える事はできません。

だから多くの専門学校で2、3人くらいは有名な人を招き入れてパンフレットなどで大きく強調して広告塔になってもらうわけですが、そういう人でさえ教えるのが上手いのか否かは受けてみるまで分かりませんというのが実情・・・なぜか?

資格というものを取る必要がないからです。

この世界の地味な問題点だと僕は思っているのですが、プロの定義が曖昧な世界です。

しかしその本当の意味でのプロフェッショナルと言われる俳優になるためには高度な技術が要求されるのは間違いありません、

なのに・・・!

実技などがある試験に合格して取得しなければいけない資格はありませんし、プロ野球のようにセ・パのどちらかの球団に入ればプロ野球選手として名乗れるという分かりやすいものもありません。

じゃあどういうところで判断しているかと言ったら、

・事務所、劇団に所属しているのか?

・稼ぎが多く裕福な生活ができている人

といったところが一般的でしょうが・・・、

先ず前者の事務所、劇団に所属しているですが、厳しい事にそれだけで稼ぐ事ができるようになる世界ではありません。むしろ殆どの所属者は何年も出演歴が更新されていない人達です。

じゃあ俳優、声優、芸能活動だけの稼ぎで生活できている人、これならそう呼ぶのに相応しいと思うでしょうが、こっちもそうとは言えません。

一人くらいは思い浮かべる人がいるかもしれませんが、

「なんでこの人がこんな良い役やってるの?」

そう実力、中身が伴っていないような人です。たまに正直、演技が上手いと言えないのにおいしい役を与えれている人っていますよね。

と、このようにこの世界でのプロとしての模範というものが定まっておらず、あの人をお手本にすれば良いのかという目指すべきものがよく分からないといったのが現状です。

とにかく一貫した基準というものが無くその肩書き、実績でさえもそれが質の良い教育を担保できるものではない、こんなカオスな世界が演劇界なのです。

ちなみに僕が思うプロとアマチュアの違いは、

・アマチュアはたまに素晴らしいお芝居をできる事がある。

・プロは演出家、監督から要求された芝居を瞬時に、細かいニュアンスも含めて体現させる事ができるといったように他人の要求、依頼に当たり前のように応える事ができるのが第一に挙げられますかね。これは他の分野でも言える事だと思います。

要は運である。

こんな言葉を聞いた事がありませんか?

「名選手が名監督になるとは限らない」

例えプロ選手としての実績は目を見張るものがあっても、その人がそのままの勢いで今度は監督、指導者としても成功するとは限らないって事ですね。

逆にこんな事例も。サッカーを例えに挙げます。監督として一時代を築き上げた人がいます。

その名も「ジョゼ・モウリーニョ」氏。サッカーファンであれば知らぬ者はいない、よく知らない人でも名前は聞いた事ある、顔を見ればあの人かと分かるくらい日本でも知名度ある監督です。

彼はプロ選手としてのキャリアはありません。しかしこれまでチェルシー、インテル、レアル・マドリードといったサッカークラブチームの中でも名門中の名門を率いました。

なぜそうする事ができたのかというと監督として、指導者として才能があったとしか言えないと思います。このようにプレイヤーとその指導というのはベクトルが違うものであると言えるのではないでしょうか。

となると上記で挙げている知名度がある人が指導してくれるかと言って必ずしも良い指導が受けれるとは限らないと言えるのです。

もはやにかかっているのですね・・・。

「誰が」言ったかではなく、「何を」を言っているかに注視してほしい

ここまで読んでいただければ演技の指導を受けるにしても、肩書きや実績だけで指導者を選んでも成功するとは限らないし、逆にそれが無くても素晴らしい指導を施してくれる場合だってあると少しは理解してくれたのではないでしょうか?

ここは是非、皆さんには「誰が」が言ってるかではなく「何を」言っているのかに注視してほしいと思っております。

僕みたいな直ぐにこの世界から離れた奴の言う事なんて信用できないというのはごもっともだと思います。しかしだからと言って実績がある人が必ずしも信用できないとは先に言った通りです。

次回から本格的にその、どうすれば演技が上手くなるのか?それについて書いていくわけですが重ねて言うように「何を」言っているのか、その中身をよく読んでほしいと思っております。

今回のまとめ。

俳優、声優になりたいと思い学校やらに通う、演技をもっと上手くなりたくて誰かが主催しているワークショップに参加するとしても良い指導が受けられるかはもう一度、言いますが「運」にかかっているのです。

けっこう長い文章を書きましたがまとめはこんなに短くまとめられるという・・・笑

まぁ、でも最近は中高の教師が生徒にセクハラ行為をしたというニュースをよく聞くようになり、教師どころか人間として失格の人が教壇に立っているというのが現実ですし、良い人と巡り合えるかはまさに「運」なのかもしれないという極論。

 

では、今回はここまでにしてしようと思います。最後までお読み頂きありがとうございます。

 

コメント

  1. […] のは決して立場の強い人ではないと書きました→「専門学校で教えている講師ってどんな人?」 […]

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