【演劇と集客】 「小さな劇団」が舞台上演で安定した動員を維持するためには?

ビジネス思考

今回は「演劇の舞台上演で安定した動員を確保・維持するためにはどうしたらいいのか?」そのテーマで一つの方法をご紹介したいと思います。

小さな劇場の舞台上演で収益を上げるための条件とは?

前回の記事では「小さな劇場の公演で利益を上げるためには?」というテーマだったのですが途中でかなり厳しい・・ということで半ば断念した形になりました😓

しかし、それでも「このような意識で支出を抑えたり、収入を増やせば良い」という道筋は示しました。

その中に公演のパンフレットの一部スペースに広告欄を作り「広告料」を取りましょうと提案したのですが、それと今回の「安定した動員の確保・維持」にも繋がっていくので同時に語っていこうと思います。

小さな劇団や団体が目指すべき形態の一つになるかも?

何も実績のない、有名俳優もいない立ち上げたばかりの演劇団体や劇団は当然、最初は集客にかなり苦労します。しかも今は「コンテンツ供給過多」と言われている時代。もはやライバルは同業者のみならずエンタメコンテンツ全般を発信している全ての企業・個人です。おかげでその実績や有名俳優がいる劇団・団体であったとしてもお客さんに来てもらうのはかなり苦労しています。

さて、それを頭に入れておいて少し別の話をするのですが・・・先ほど舞台上演をするにあたって少しでも「収入」を増やすために「広告料」と取りましょうと提案しましたが、実はわたくしが関わった舞台で過去にその「広告料」を頂くのに成功したことがあります。

どういう方法を取って成功したかと言いますと・・・、

劇場周辺にある飲食店などのお店に訪問して頼み込んだ

です。はい、これが今回の肝となるところです。

わたくしたちは出演舞台の宣伝をする時に友達や知り合い、今ならSNSを使って宣伝はすると思いますが「劇場周辺に生活の拠点を置く人達」に対してどれだけの人が目を向けているでしょうか?

誘ったけど来れない人の中には正直「遠そうだから行きたくない」という人もいると思います。実際、小劇場と言われる劇場には聞いたことないローカルの駅が最寄りの劇場も少なくありません。着くまでにふた手間くらいかかるってことですね。

対してたとえば「映画」というのは舞台と同じく上映期間は限られているとはいえ「自分の家から、学校から近い映画館」で観ることが可能なので、今でも映画というのは若者でもデートをする際のスケジュールに採用されるんだと思います。

この問題を解決する方法の一つにわたくしは「地域密着型」という方法も有りなんじゃないかなと思いました。

それに近いことを実践している劇団があります。
それが喜劇劇団として知られる「テアトル・エコー」さん

テアトル・エコーさんは「恵比寿・エコー劇場」といういわば専用劇場を所持しています。劇団本公演は必ずこの劇場で上演されるということですね。

わたくしが以前テアトル・エコーさんの舞台を観に行った時に席にはある冊子が置かれていて「なるほど」と思いました。

それが劇場周辺マップという形で劇団員がよく利用するおすすめの飲食店やお店が紹介されていたのです。きっと観劇後のご利用を促しているのだと思われます。

内容を読む限り写真付きで紹介されていたので、許可が貰えるということはお店の店員さんともかなり仲が良いことが伺われました(ただ、これちょっと古い情報なのですが今でも良好な関係は続いていると思います)

このように毎回、同じ劇場で公演を行うということは勝手に周辺に住んでいる人や仕事をしている人に劇団の存在が知られても不思議ではありません。

なにより劇団員の人だって休憩中には近くのお店をよく利用することでしょう。そうなると店員さんだって「いつもの人だ」と顔を覚えてくれるようになります。

顔を覚えられたら、さらに一歩踏み込んで会話をするようになることもあるはずです。そこで店員さんに「この近くの劇場で活動をしている俳優なんですよ」みたいな感じで会話をすれば「認知」されるのは間違いがありませんよね。

これを表現するならやはり「地域密着型」と言っても良いのではないでしょうか?スポーツチームと同じ考え方かもしれません。

それに近くに劇場があるとお店の人も分かる人はわかっていますね。初日、公演後のプチ打ち上げをした時も居酒屋の店員さんから「もしかしてあそこの劇場で芝居やっている俳優さん?」と声をかけられました。どうやらなんとなく聞こえてくる話している内容や、雰囲気で分かるようになったそうです。

つまり、安定した動員を確保・維持するための一つの方法に「同じ劇場で上演し続けて周辺の人達に知ってもらう、飲食店があるならよく利用して顔を覚えてもらう、そこから宣伝しやすい関係を作る・・・」なんていうのがあるのではないでしょうか?

そこまでしなくても、わたくしが初めて訪れる飲食店さんに対して「広告料」を頂くことに成功したのは「短期間で多くの人が集まるから宣伝すれば売り上げが増えるかもしれない」と強調したからだと思います。これで複数のお店が賛同してくれて「広告料」として約2万円が入ってきました。

広告主探しに苦労している人は劇場周辺の事業者さんをあたってみるのも良いと思います。


と、「近いから利用する」「近いから行ってみるか」というのは十分に動機になり得ます。インターネットを利用して幅広く宣伝するのもいいですが、意外とすんなり来てくれるのは近くに居る人かもしれません。飲食店やお店を訪問して「この近くの劇場で今度、公演をやるので是非観に来てください」とチラシを渡す、お店のどこかに貼ってもらえないですか?と頼む方が効果はあったりします。

・注意点

全国に展開しているチェーン店は間違いなく断られるので個人がやっていそうな小さなお店に頼んでみましょう。

・「なんかうるさい、行儀悪い集団がやって来た、歩いていた」など悪評が広まるような言動は慎みましょう!それだけでこの狙いは一気に成立しなくなります!

理想は「地域のコミュニティーの場」として機能すること

この形の理想形は最後は演劇公演を通して「地域の交流の場」として機能することだとわたくしは思います。

劇場に足を運べば〇〇さんに会える、そして観劇後はお茶でも・・・といった感じで、一つの集会場みたいな場になることです。

それでなくても知り合いが出演する公演を観に行く動機に「久しぶりに会いたい」というのはありますし。

一つの出会う、交流するきっかけにこの「演劇公演」を観に行く、これを根付かせることができればすんなりとお客さんは来てくれるのではないでしょうか?

では今回は以上になります。ありがとうございました。

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