↑この記事では演技というのは突き詰めれば高度な技術が求められるのだから、しっかりと実力がある人に出演機会を与えるためにも資格を取得した者だけがこの仕事ができるようになった方が良いのでは?と書きました。
しかし才能がある、センスの良い人であれば演技未経験でもいきなりある程度の域までの演技ができてしまうのも事実です。
そこで「演技」っていつ頃から始めるのが良いのだろう?とふと思いました。そう考えてしまったらなんとも一概にこれだと言えるものがなく首を傾げました。
普通は始めるのなら早い方が良いです。
特にスポーツはもしもプロになりたければ、どんなに遅くても小学低学年の内には始めないとプロにはなれないと言われています。
子供はスポンジのように吸収するのが早いとはよく聞きますよね。
じゃあ「演技」はというと・・・少なくとも小学生のうちに始めないとプロにはなれないとは言われていません。
なら今から始めても遅いなんていう年齢も特にありません。
声優なら多くは、ここまでの風潮として高校卒業後に専門学校へ進学するという人がたくさんいました。その中にはアニメが好きだから目指したという動機の人が多いので、演技未経験者もけっこういると思います。
それに関して、専門学校側も演技未経験者でも心配いりませんと言っております。
そうなると18歳から始めてもOKとなります。
趣味として始めるならまだしも、プロになりたい人も18歳から始めても大丈夫ですよというのはおそらく随分、長い目で見てくれる分野だと思います。
が、実際にそのくらいの年齢から始めて今でも、一時でも自分の演技でお金を稼いだ人はいます。
中には最初から俳優・声優になりたかったわけではないけど、成り行きでそうなったとか強い意志を持って入ってきたわけではない人もいます。
というかオーディションでも経験者のみ可という条件の方が少ないし、小説家がドラマ出演、スポーツ選手がアニメ出演と未経験どころか別の畑から呼び寄せて起用するという例もあるとここまで書きました。
この現状を見ると改めて、資格がないのはもちろん「演技」というのをなめられているなと思わざるを得ません。
この現状が真面目に勉強するのがバカらしくなってくる原因でしょうね。なんのために演技を学ぶ学校があるのか分かりません。
誰でもできてしまうと思われている、そう言っても良いのですが・・・うん?
誰でもできてしまう・・・
このワードに引っかかりました・・・そうか!
人間とは無意識に普段から演技をしているから、誰でも見た目はそれっぽく出来ているように見えるのか!と気がつきました。
このブログでは演技とは人間の日常を再現するとも言えると書きました。なら今こうして自分が文章をパソコンで打ち込んでいる所だって、ドラマや映画でそんなシーンがあっても全然おかしくない。つまりある意味「演技」をしていると言えるのです。
厳密にはこの動作を舞台上やカメラの前でも出来るようになるのが「演技」ですが「演技」の基本行動というものは誰もが普段の生活でしているのです。
怒ったり、泣いたり、笑ったり、みなさん普段からしていますよね。
それを意図的に、求められたら瞬時に出来てしまうのがプロと言われるのに値するのですが、誰だって普段から「演技」で求められている事をしているのだから、ちょっとやる気のある人であれば、お芝居の感性がある人であればそれなりに出来てしまうのも不思議ではないのかもしれません。
サッカーや野球は普段から練習していないと腕は落ちる一方ですが、「演技」というものは人間が日常で行っている「行動」や「喜怒哀楽」を求められるので、それを普段から無意識にやっていれば、あとはやりたいという気持ちさえあれば誰でもそれなりに出来てしまうのが「演技」なのでしょう。
日常で無意識にやっていたものを稽古場で意識的にやり、今度はそれをまた稽古場でも無意識に出来るようにする、この感覚を掴んでほしいとも書きました。
そういう性質を持っているのなら、勘の良い人であれば始める年齢は遅くてもいきなり上手い演技ができるのも納得かも。
「演技」の基本的なこと「ストレートプレイ」と言われるものは私たちが普段、営んでいる生活そのものなので、あとはやる気と上手くなりたいという気持ちを持って、年齢はあまり気にすることなく飛び込んでいい世界なのでしょう。
「演技」とは始める年齢に遅いも早いもなく、誰でもできてしまうそんな、なんとも掴めない、不思議な分野だということです。
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