【演技・役のキャラクター付け】 『アニマル・エクササイズ』

演技上達法〜基礎編〜

このブログのメインテーマは「エンタメ・演劇×ビジネス」ということでかつてわたくしが俳優・声優活動をしていた経緯から俳優・声優志望者を中心にエンタメ活動をしている人がビジネスの知識・スキルを身に付ければ事務所に所属しておらず個人で活動していても、そのエンタメ活動によって収入が得られるようになるです。

演劇に限らず音楽などこれらの活動をしている人は第一に「好きでやっている」ことが多いのであまりお金のことは気にしないのは仕方がないのかもしれませんが「いつかは売れたい」と希望を持っている人もいると思うのでなら別の分野の勉強もしないと駄目だよとわたくし自身、気がついたのです。

しかしそれでもその「好きなこと」の鍛練も怠ってはいけないので、このブログのスタートは「演技上達法」と題して基礎編」「台本分析編」「実践編三つのカテゴリに分けてわたくしが今まで学んできたことをシェアしました。これで知識だけでも僅かな期間で身に付けることができるようになりました。

今回は久しぶりにその「演技上達」のための記事を書いていきます。

「アニマル・エクササイズ」

これがこの記事のテーマです。どういうものかと言いますと・・・

あなたの役を動物に例えると何ですか?

一言で表せばこれが『アニマルエクササイズ』の概要になります。

この記事では役作りのやり方として「スタニスラフスキー9つの質問」を取り上げましたが、そこに追加の質問としてこれを加えても良いくらいです。

演劇の台本には時に十数人単位の役が登場します。それぞれ背景、立場というものが異なるでしょうから当然それぞれに違い、言い換えれば「キャラクター」というものが分かれるはずです。その演じ分けというものがそれぞれ無意識のうちに出来れば良いのですが、上手くいっていないと観客から「見分けがつかない」なんて意見もポロっと出てくるかもしれません・・・😓

それでなくても役それぞれに何かしらの個性を出さないとお客さんも飽きていきます。そのコントラストを出すためにも演じる側は何かしら手を施さないとなりません。

分かりやすい例は役が着る衣装の色は基本的には被らないように配慮されます。全員がスーツ姿で違和感ない物語だとしても、何かしら違いは出そうと演出家から指示が出されると思います。着こなし方であったり、一人だけ眼鏡を付けたり、ネクタイの色など・・・やはりそんな所でも「キャラクター」というものが滲み出てくるものです。

それを形で、外見で表さなくても自然と出せるのが理想なのでしょうが、そんないつも上手くいかないのがお芝居というものです。時には意図的に形を、外見を変えてみて役を掴んでいくのは何ら恥ずかしいことではありません、むしろそれで上手くいくならあなたは才能ありますと褒めても良いくらいだとは前にも書いたことです。

その一つのやり方に『アニマルエクササイズ』というものがあるということです。

個人的には演じる方針として動物をイメージしてみるというのは分かりやすくて初心者には良いんじゃないかと思っております。

では、その手順としては以下のようになります。

1、動物を決める
これを決めないと始まりません。演じるのは人間と考えると無意識にある程度は絞ってしまいがちですが、この役にぴったりと思ったのなら魚でも構いません。逆に個性的という意味では出しやすいです。

2、なぜこの動物を選んだか理由を言葉にする
自分の好き嫌いで選んだわけではない、しっかりと他者が、共演者が納得する理由を考えましょう。その答えは当然、台本の中から、この台詞、言動がこの動物をイメージさせると探すことができるはずです。

3、その動物の生態などをリサーチ、そして最低でも映像を観て特徴を捉えましょう。つまり可能なら動物園などで生で観察するのが望ましいということです。

理想の資料としてその動物が怒りを露わにするなど感情的になっている映像があればそれは是非、参考にしてください。怒る、威嚇する時はどんな姿勢、表情になるのか?をしっかりと見ましょう。

4、実際にその動物の動作を真似する、動いてみる
ただ調べる、観察するだけではなく実際に動いてみてその動物になりきってみてください。特に何も考えずただ動きを真似をするだけで良いので、まだ役のことは頭になくても構いませんが役作りの一環だと考えれば無意識にも役と重なる部分を発見できたりするのではないでしょうかね。

5、シーンを抜粋してその動物の動作、特徴などを取り入れて演じてみる
ある程度その動物というものが知識として理解できた、特徴も体に染み付いてきたと思ったのなら最後は台本のシーンから好きなのを抜粋して実際にその動物の要素を演技に取り込んで演じてみましょう。

この台詞を言う時にこの動物の動作をしてみるというのが一番分かりやすいでしょうが、動きとして表現しなくても4の過程で湧き出た感情を元に演じてみても、何かしらのその役、特有のキャラクターというものが出てくるかもしれません。

最初に魚でも構わないと書きましたが、実は本当に魚をチョイスした人を見たことがありましてその人は水中の中を漂っていることを意識して演じて動きが常にゆらゆら?フラフラ?して何考えているか分からない、特徴的で面白いキャラクター像を出していたと思いましたね。

なので最後はその動物を本当に演じるわけではなく、その特徴・要素を上手く取り入れて演じることが出来れば良いということになります。

動く時の速さ、リズム、基本姿勢など・・・。

あくまでエクササイズなのでこの時は露骨にそれを表現しても良いと思いますが、実際にお客さんの前で演じるとなったらもっと自然に見せないといけないので最後は本人しか分からない部分で、実は演じる際にこの動物を参考にしたんだと言わないと気がつかないような形になると思います。

動物』という演じるのに分かりやすい指針とはいえ、最後は演じる本人のセンスが問われる手法かもしれませんね。

是非、皆さんも役作りのやり方として一度、挑戦してみてはいかがでしょうか?

では今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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